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Vリーグ男子:堺ブレvs豊田合成、今季も弱点から目をそらし続けるのか。 [バレーボール]

Vリーグでの勝利にこだわったチーム作りの豊田合成に対し、世界標準のバレーを目指してきた堺ブレイザーズ。この対戦がなぜ興味深いかというと、正反合というかアウフヘーベンというか否定の否定というか、なんかそんな感じの弁証法的何かしらを感じるからなのですね。何を言ってるのか自分でもさっぱりわかりませんが、要は少年ジャンプ的な何かしらがあるわけです。

で、今季はどうなることかと楽しみでしたが、フタを開けてみればそんな高いレベルの話のはるか手前の問題で、前季から1歩も進化していない合成に対し、堺は20点以降の詰めが甘く自滅に近い形でスト負け。堺の豆腐メンタルは今季も頭の痛い問題のようです。

イゴール
だって疲れてるだろうに、今季もまた同じ戦術=高松白岩のバックアタックをなくして守備に徹することにした合成。ただ、ここまでの試合のイゴールは、ブロックにつかまる場面、レシーブで上げられる場面、動線をじゃまするサーブを打たれる場面が目立っています。

それでいいのか?と思うのですが、なんだかんだで開幕ぐだったあとはスト勝ち×2だから、今季もこれでいけるところまでいってしまうんでしょうね。で、イゴールとクリスティアンソン監督が同時ぐらいに抜けて、古賀はピークを過ぎ、チームがゼロからの作り直しになるんでしょう。不毛なことですが、今から手を打たないんだったらそうなるしかないという。宿命と書いてサダメと読む、みたいなね(謎)

それよりも重症なのは堺ですよ。

先にポジティブなことを書いておくと、監督は代わりましたがゲームメイクの基本線は維持されていて、それはとてもよいことだと思うのですね。さらに、新加入のウォレスは攻撃だけでなく守備もそこそこできるしパスもうまい。リバウンドをとって攻め返す判断の速さとうまさ、ブロックにあたって跳ね返ってきたボールにとっさに手を出していい位置に上げる身体能力とセンスのよさも目立ちます。潤滑油としても機能している非常に優秀なオポジットかと。

その影響もあってなのか、佐川のトリッキーなトスがさらに活きてますね。合成の試合では序盤からセッター後ろでのクイックを多用していましたし、その速い時間差でウォレスがライトバックから飛んでくる攻撃も。どっこいしょアタックのペピチではやりたくてもできなかったパターンです。

ビーチ転向を表明した石島もモチベーションを維持しています。攻撃時に逃げなくなり、サイドからしぶとく、バックからも積極的に攻撃参加してますね。持ち味のブロックはリードから飛ぶまでが速くて位置取りがしっかりしてますし、つなぎの面でもがんばってます。

出来田は今季も安定。サーブも入るようになってますし、順調に伸びていくことでしょう。松本は衰えは隠せないものの、得意の攻撃面では活躍してます。ただ、今日の試合ではラリー中に助走をさぼって打てず、手痛い失点もありました。ブロックではもはやリードが厳しい(=速さについていけない)ところが見受けられます。それでもなんとかして決める技術はピカイチでスタメンは譲らないぞ、という。

などなど、いいところがいろいろあるのに合成にスト負け。最大の要因は、前季キャプテン千々木/今季キャプテンの伊藤です(断言)。監督が代わればちょっとはマシになるのかと思いきや、マシになるどころか印東時代以前のニコイチに逆戻りじゃないですか。

千々木がスタメンでサーブで狙われて足を引っ張る→後衛で伊藤に交代するも伊藤の攻撃力がゼロに等しく足を引っ張る→前衛でまた千々木に戻してサーブで狙われて(以下略)

↑これを何年も繰り返しているニコイチが2代続けてキャプテンやってるんだから、そんなチームが優勝を狙えるようなことにはならないんでしょうね。なんで伊藤をキャプテンにしたんだろ。

今日の試合なんて、佐川が必死につないで後衛伊藤が打てる状態のオープントスにしたボールを、伊藤は1歩も動かず前衛ライトのウォレスと見合ったまま床に落とし、ウォレスが激怒。「俺のボールか!違うだろ!」的なジェスチャーでほえまくるウォレスを松本があわててなだめに入るの地獄絵図。

プレーをさぼって(というか、ニコイチだから打つ発想がそもそもない)コート上でチームメイトに怒鳴りまくられるキャプテン、ほかにいます?しかも伊藤はこの直前に、サーブレシーブを2本ミスって失点しているんですよ。守備固めで入ってるのに狙われてミスるという。なにそれ?っていう。

結局、千々木/伊藤のニコイチが印東時代に自立できなかったツケを、今季以降、チーム全体で払っていくことになるのでしょう。

で、そのニコイチと同世代の横田内藤、この2人がいつまでたっても松本を抜けないところも情けない。松本/出来田がサーブがヘタだからそのピンサ枠で出場できてますが、別にピンサ要員というほどサーブがうまいわけでもないですよね。

この4人がどうにかならないことには堺の時代はやってこない気がします。でも、どうにもならないんじゃないかという気もしています。むしろ、この4人がピークを過ぎたあとも"ベテラン"としてチームに居座ってしまったときがつらいだろうなとか、そんなことまで考えてしまったり。

千々木は代表にも呼ばれなくなったし、酒井時代→印東時代と芽が出ないままきて真保監督のもとでこれが最後のチャンスでしょう。ここで自立して、ガイチ代表監督のコネで全日本復帰のチャンスをもらって結果を出すか、ニコイチのまま終わっていくか。正念場ですね。


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Vリーグ男子:全チーム開幕の話が全消しになったから。 [バレーボール]

Vリーグ男子、ほかのチームもすべて開幕したので、それぞれの進化したところ(喜・楽)と半年間なにしてたんや(怒・哀)というところをほぼほぼ書き終えてたのですが、突然、何の前触れもなくブラウザ(Chrome)が落ちて全消しになるという。このブログはツムツム(もしくはテトリス)ではないのでこれは大惨事、大惨事ですよ。

もはや書き直す気力がないので、とりあえず書いていた内容を箇条書きに……してみたせいでいつもの悪態がオブラートにも何にも包まれずにむき出しでぼろぼろこぼれ出てしまってもう……。すべてはGoogleのせいですから(違)

第1試合 サントリーvs東レ

サントリー

山本・柳田・藤中・塩田の若手軸にしたところはよい
星谷が入っていない理由をよく知らないのだけれど、いずれ加わるだろう
ただ、柳田の後衛要員で鶴田、藤中のところに栗山、みたいなセーフティネット(もしくはおむつ)が用意されている
おむつがとれるのはいつの日か
若手軸を通した結果、スタメン鈴木の控えが山村、みたいな地獄絵図も垣間見えるが、これも時間が解決してくれる
新加入のエスコバルは典型的な゛打ち屋”でバックライトからのクロスぐらいしかない
しかも守備がだめだめで目の前にきたゆるいボールに足が1歩も出ないレベル
なので早々に攻略されてしまう気がする

東レ
ニコラがコートキャプテンなのはきっと審判団の英語力を高めてあげようという小林監督の心遣い(違)
ニコラは前季、味方のミスに超ガミガミほえてたからなー
前季から世代交代を意識してきているだけにうまく歯車がまわっている感じ
藤井のトスワークから自己満足的なものが薄れて整ってきた
星野・鈴木が自信を持ってきているように見えつつも、相変わらずバックからの攻撃参加は極端に少ない
星野のサーブミス癖は改善されてない(←半年間、なにしてたんや)
最終的に米山が出てきて試合をまとめているあたりをどう見るか
ベテランと若手の融合と見るか、なんだかんだで米山頼みと見るか、もう少し様子見で

第2試合 FC東京vsジェイテクト

FC東京
ペピチの加入で手塚がレフトに異動
この2人でチーム打数の7割を打つ=前季のパナソニック化
事情はわからなくもない=前季は手塚1馬力でしかもケガ、ただペピチとの2馬力化で勝っていけるほど甘くない
ペピチはここぞというときにミスるからな、メンタル、超弱いからな
しかもセンター衛藤が打数4・決定2とパナの白澤化
衛藤はブロックも勘で跳んでるし、サーブで点が取れるわけでもないし、どこで貢献してるのか?
よくわからないけれどなぜかコートキャプテンだったり
とにかく最低限の攻撃枚数を確保したのはよいけれど、それ以前にチームのブロックがヘタ過ぎる
ブロックにシステムがないし個人技もなく、セッター山岡なんてじゃまになるだけから跳ばないほうがいいレベル 
上背がないのにブロックが適当で、また入れ替え戦に出るつもりかFC

ジェイテクト
センター線に廣瀬・福山の若手を抜擢し、辰巳が控え、袴谷がセッター対角にまわる大ナタ
セッターもベテラン高橋を控えに置いて久保山スタメン
カジースキ一辺倒にならないようにトスを散らし、今季は古田をもっと働かせる腹積もりらしい
飛び道具=浅野がいない今だからこそできるオーソドックスなチーム作りに賛成
ただ、古田の進化がまったく見られないところがとても残念
変わったところと言えば日焼け防止用もしくは冷え性防止用の黒い袖をつけてなかったぐらい
セッター対角なのに点取り屋でも守備の要でもない現状を彼はどう考えているのか聞いてみたいぞ
なぜなら、ジェイテクトがさらに順位を上げたいと思うなら古田覚醒が不可欠だと思うから

第3試合 堺ブレvsJT

堺ブレ
われらが堺ブレイザーズは印東監督の退任でどうなることかと思ったけれど意外とちゃんとやってる
佐川はトリッキーな組み立ての安定感が増して松本・出来田がいい感じで跳んでくる
今季限りでビーチ転向を宣言した石島は献身的なプレー(特に守備面)で貢献しまくり
立つ鳥跡を濁さず、居場所がなくてビーチに行くんじゃないってところを証明してやれ
新加入のウォレスはとてもよい
攻撃面では打ち分ける幅が広いし、強打も軟打も自在、上げれば何とかしてくれるタイプ
守備面でも貢献度が高い、足がよく動いているし、強打のレシーブでもぶれないし、つなぎも上手
それだけに、ほかの選手のつなぎのヘタさが目に染みる
ウォレスが半笑いになってたのは上がってくる2段トスがあまりにもブサイクだったからだろう
こんなに頼れる外国人が加入して、佐川が頼り切ってしまわないか、そこが心配
ところで、千々木って1秒ぐらいしかコートにいなかったけど何してたんだろ
ノーブロックのレフト攻撃でストレート切りすぎて大幅アウトにしたところぐらいしか記憶にない
あ、1本、バックアタック決めてたか
新キャプテンの伊藤は50グラムぐらいやせたんだろうか、いつか腹でタッチネットするんじゃないかと心配
あ、腹でタッチネットはおっさんの草バレーあるあるだからな

JT

新ユニのパンツのデザイン、裾が黒ずんでるのはやっぱりタバコの吸い殻をイメージしたんだろうか(違)
鳴り物入りで加入したクレクがわずか3ヵ月で契約解除?何があったのか……知りたくもないJTの闇
代わって引っ張ってきたルブリッチはまだ22歳、育成枠も同然だなと思って見てたらやっぱりそう
そんなこんなでチームができあがってない感ありあり
センター線はなぜか筧本を先発させて案の定、町野と交代、いや町野はバレー苦手だろうに
中島のサーブミス癖も直っていない、攻撃面ではちょっとからまわってたし
サイドも安井先発で案の定、八子と交代、今季もずっととっかえひっかえで行くのかな
結果的に何も進化してないんじゃないかと思わせるこのチーム、まじでルブリッチを育てながら進むのか? 



最後に
誰が解説席に熊田を座らせたのか
あれは解説なんかじゃない、感想ですらない、茶の間でオヤジがくだまいてるレベルだ
サントリーvs東レ戦で熊田が繰り返し強調していたこと=サーブは狙うな、入れておけ
サイドアウト時代から思考停止しているらしい
そんな熊田の本日の語録
(サーブは入れておけ、の流れで)「サーブを入れて相手の攻撃を確かめるんです。今、ニコにバックアタックがあることを発見しましたね」
(サーブは入れておけ、の流れで)「強いて言えば、サーブポイントが取れるのが最高ですけどね」
(サーブは入れておけ、の流れで)「次は狙うでしょうね。いや、狙わないかな」
(24-21のセットポイントで)「ここはサーブ、思い切り打っていいところです!」
熊田を呼ぶな、二度と呼ぶな。

 


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Vリーグ男子:開幕戦なのにぐだってしまうこの感じ。 [バレーボール]

Vリーグは今季からDAZNプレミア全試合とチャレンジの一部を放送。なかなか評判の悪い動画配信サービスですが、これしかないので仕方ない。ひとまず契約してみました(1ヵ月無料)。

5~6回通信がとんだことと、どこからひっぱってきてるのか実況が選手の顔と名前を把握しきれてないレベルでほぼノイズになってしまってること以外は、問題なく見ることができました。画質もまあまあで、清水のキモカワイクナイ靴下の柄も識別可能です。

ただ、チャット機能がついていないことや、予約機能が見当たらない(ついてない?)ことなど発展途上であることは確かなので今後の改善に期待しましょう。

それよりも問題は前季1位豊田合成vs2位パナソニックによる開幕戦のぐだぐだっぷりですよ。イゴールのサーブと攻撃がまったく機能しなかった合成がストレート負け。第2セットは点数だけ見れば熱戦のように見えますが、合成に流れがきかけた終盤で、イゴール、白岩、傳田が3連続サーブミスでジュースに持ち込まれただけのことで。

合成がぐだった理由ははっきりしてます。内山のトスがぶれぶれだったからですね。短かったり、割れたり、近すぎたり。昨季のように何にも考えずただアンテナまで伸ばすゆっくりとしたオープントスを上げておけばよかったんでしょうが、まがりなりにもV優勝セッターとなっただけに、何かしらを見せようとしたのでしょうか。その「何かしら」が何なのか全然わからないまま試合が終わってしまいましたが。

で、イゴールはイライラを募らせ、サーブが入らずさらにイライラし、相手の返球時に動線を狙われて拾わされてさらにさらにイライラし、でも無茶ぶりな2段トスは上がってくるのでさらにさらにさらにイライラし……という。この試合、例の頭ポンポン、画面には全然映らなかったなー。してなかったんじゃないかなー。

これが王者となった翌年のジンクスなのか、進化した合成を見せるための生みの苦しみなのか、その辺りはまだわかりません。高松がたった1本だけどバックアタックを打ってみたり、攻撃参加がいつも遅い白岩がレフトから中へ切り込む形で゛速さを演出”してみたりと、前季の課題を何とかしようとしている場面も見られました。

その影響がイゴールへのトスのぶれになっているんだとしたら、どっちを優先すべきか難しいところですね。

一方のパナソニック、レフトに福澤が復帰、センターは山内とここだけ見れば弱体化ですが、 ダンチに代わってクビアクが加入し、彼が゛潤滑油”に徹したことで、清水・福澤・山内が気持ちよく打たせてもらってました。

って、それでいいのか?少なくとも私には、クビアクがクソつまらなさそうな表情に見えましたが。

そりゃそうでしょうね。クビアクは守備で何度もスーパープレーを発揮してます。エンドライン外の位置でスパイクに飛びついてセッターに正確に返球、コート後方から走り込んできてジャンプトスでライト清水に配給などの目立ったプレーのほかにも、位置取りやパスの正確性でダンチとはダンチがい(エ?

クビアクがそうやってつないだ1球をけっこう簡単にミスるアタッカー陣(白澤除く)。あ、白澤を除いたのは、相変わらず仕事してないからですね。打たなければミスらない←この哲学で今季も乗り切るつもりのようです。

クビアクはラリー中の守備のあとでもすぐに攻撃参加の態勢をとってますが、そこにボールが上がってくることはまずないんですね。バックアタックも上がってこない。清水・福澤がどうにもできないおこぼれみたいなボールばかりまわってきて決定率が上がらない。そうこうするうちにクビアクは守備後の攻撃にしっかり入らなくなってきて、あーあ、って感じです。

そういう意図でクビアクを取って、彼がそれに納得してるんだったらいいんですけどね。パナの偉い人「清水と福澤と山内はわが社のスターだ。君は彼らの攻撃をお膳立てする役割に徹してくれたまへ」、クビアク「イエスサーでございます」と。

前任者のダンチも全然やる気をなくしてたし、クビアクがこのチームでどこまでモチベーションを保てるか。彼がスターたちのお膳立て役に徹し続ければ今季もパナの上位は固いでしょう。でも、そんな都合よくいくかなあ?

パナのHPのクビアクのページ。「パンサーズの魅力 今シーズンが終わってから言います!」だそうで。何か言えることが見つかっていることを祈ってます。


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Vリーグがプロ化するってよ……って、なんか生煮え。 [バレーボール]

Vリーグ発足時のドタバタ劇=通称「もとこともこの乱」から20有余年。ようやく重い腰を上げてプロ化に取り組み始めたようですな。

バレー以上にドタバタしていたバスケがどうにかまとまってプロ化し、その利権にフジがキラーコンテンツ=サザエさんまで動員してなりふり構わずむしゃぶりついている構図の中、鈍いバレー界でもさすがに、避けられてるかもしれない予感それとなくそれとなく感じてた、のかも。で、あわててプロ化をちらつかせて、愛されてるかもしれない期待かろうじてかろうじてつないだ、つもりなのかも。そういえば工藤静香のこの歌、ちょうど「もとこともこの乱」の頃にヒットしてたなー。

そんな「Vリーグを世界のトップリーグへ スーパーリーグ構想」とやらを早速チェックしていきましょう。

プレゼン資料のどアタマに書かれている「Vリーグ再生宣言」の文字。目にしみますねー。「再生」って便利な言葉で、重体から回復した蘇生、不良がマジメになる更生、キリストとかブッダが得意とする再誕、廃品のリサイクルなどを含んでますが、Vリーグはどれなんでしょうね。いずれにしても、現状のVリーグは瀕死、不良、廃品であると認識していることはわかりました。そこまで卑下することないのに。

なんでそんなことになってしまったのか。課題認識が次にくるわけですが、これが中途半端なんですよね。

1、TV放送の限界化
2、体育館確保における競合激化と大会開催の困難化
3、歯止めのかからない競技者数の減少
4、大会運営者の世代交代の停滞
5、スポーツイベントとしてのマンネリ化


見栄え重視なのか5個も並べてますが、1と4と5は主に゛内的要因”としてひとくくりで、端的に゛松平体制の限界”でしょう。FIVB、JVA、テレビ局、広告代理店の癒着構造の中でバラエティ化・アイドル化して遊んでるうち、気づいたら世間はガチのスポーツ、それも国際試合を好むようになっていた。頼みの綱のフジテレビは今やオワコン扱いで、TBSもバレーを丸抱えする体力はない。なんとかしないといけないのにジジババが老害化していて自己改革できずマンネリ化だけが進んでいく、という。

一方、2と3は主に゛外的要因”としてひとくくりの課題で、少子高齢化とそれに伴う多様化の深化という、日本社会あるいは先進国に共通する大きなテーマにつながっています。バレー界がこの課題について抜本的に何かできるわけはなく、深ぼりしたところでたどりつく答えは「他競技とのパイの奪い合いに勝つ」しかありません。でも、その闘いに最終的な勝利はない(=一時的に勝って寡占化が進むと飽きられて衰退する)ので、広い意味での゛発展”にはなりません。

なので、そうはっきり書けばいいんですよ。松平体制は功罪あった。ソウル五輪の女子の゛惨敗”(と言っても4位だけど)でオワコン化しかけたバレーボールを延命させて21世紀につないだ点は評価できるが、どうしようもない癒着構造の中でバレーが色モノ扱いされる時代が続き、慢性的なダメージの蓄積が深刻化している。この現状を打破し、バレーの新たな魅力を創造しなければならない。ぐらいにはっきり言ってくれたらかっこよかったのに。

でも、そうはならないみたいですね。問題の本質を避けて課題認識を中途半端にしてしまったので、その次にくる問題提起がもはや意味不明です。

1、バレーボールの魅力を再構築し、現在の閉塞状態をブレークスルーするには今が最後の機会である。
2、リーグは今こそ一丸となって、できない理由ではなく、どうやったらできるのか、最大の緊張感をもって解決策を見出すことに全力を注がなければならない。


「今が最後の機会」ってなに?今回のプロ化構想がうまくいかなかったら日本からバレーが消滅するのか?世界最大のスポーツ市場を持つアメリカはバレーの国内リーグの創設に何度も挑戦して何度も失敗してますが、一定のバレー人気と実力を維持し続けています。今が最後の機会」ってのは結局のところ精神論なわけで、言葉に酔ってるだけなんじゃないの?っていう。

2もそうですよ。「できない理由ではなく、どうやったらできるのか」って要するに、新たな提案があるたびに誰かが必ず「できない理由」を言う組織だってことで、典型的な大企業病なんでしょう。それに対して「最大の緊張感をもって解決策を見出すことに全力を注がなければならない」って、バリバリの精神論。その「緊張感」ってのが、できない理由だけブーたれてじゃまするヤツはクビだからな!って意味ならわかるのですが。

話がそれますが、池上彰が朝日で連載しているコラムでリオ五輪報道を比較していて、そのシメの言葉が「驚きました。いまの時代、精神論で解説する新聞があるとは。」だったりするのですが、いやはや、驚きました。いまの時代、精神論で改革しようとする組織があるとは。と言っておきましょう。

課題認識と問題提起がすでにぐだっているために、そのあとにくる目標設定「2018/19シーズンより新しいポリシーを持った新リーグを立ち上げる」と書かれていても、その必要性がうまく理解できないのですよ。

そもそも、なぜ「ポリシー」なのか。そのあとにつづく↓この4個を見る限り、私には「コンセプト」に見えます。「見えます」と濁して、「コンセプトだろ」となぜ明確につっこめないかというと、文脈が破たんしてる=意味不明だからですね。

1、バレーボールの未来を切り開く魅力的なリーグ
2、日本を世界で一番バレーボールが愛されている国にする
3、バレーボールのビジネス化を追求するリーグにする
4、クラブで世界一を目指す


プレゼン資料だと、新リーグが1~4の「ポリシー」を持つとあるので、新リーグ=1~4に書かれている内容の主体、だと読めます。その視点で眺めたとき、1はそもそも体言止めで終わってるので、「リーグにする!」なのか「リーグですか?」なのか「リーグだにゃん♡」なのかわかりません。

また、2や3はVリーグの仕事なのか?JVAの仕事じゃないのか?という疑問がわいてきます。4にいたってはもはや「ポリシー」でも「コンセプト」でもなく、FIVB世界クラブ選手権で優勝、みたいな具体的な目標(アクション・プラン)ですよね。

改革の際に最も重要な土台の部分=前提条件がこれだけぐだぐだなまま、プレゼン資料はいきなり「スーパーリーグ」とやらの「Strategy」(←今度はなぜか手書きフォントのアルファベット)へと話が飛躍しています。でもこれ、Vリーグの現行の「ビジョン」(←またカタカナ……) と見比べてみてください(添付画像)。情けないことにほぼ同じです。

1. クローズドシステムからオープンシステムへ
ホームゲームの増加と充実、応援スタイルの変革により、チームとファン、自治体が一体となったビジネスモデルへ
チームの経営努力がチームに還元される仕組みへ
企業経営ノウハウの積極的活用によるビジネス展開

2. 骨太のチーム経営
スポンサー、支援者、チームにとって投資し甲斐のある大会品質へ
選手のやりがいを高め、青少年に夢を与え、人材供給に正のスパイラル創出

3. Qualityの追求
開催地の負担減、審判の負担減により、チーム、開催地、審判にとって持続可能な仕組みを構築

4. 大会運営の合理化
映像コンテンツをアジアへ向け発信し、新たなスポンサーメリット創出


↓Vリーグの現行の「ビジョン」(クリックして拡大)

Vリーグ.jpg 


ここまでの資料構成で「何かが変わる!」と期待する人、どれだけいるんだろうか。

そんな不安にお構いなく、資料は「スーパーリーグのチーム要件」などとむりむりと゛仕様”の話に突き進んでいくわけですよ。前提はすっ飛ばしてこの辺ばっかり話し合ってたんだろうなというのが透けて見えるツッコミどころ満載な仕様の数々なのですが(選手は「プロ化推奨」で監督は「プロであることが条件」、外国人枠は1+アジア国籍枠+前後半で入れ替え可能、など)、もうくたびれたのでこの辺でやめます。

ただ最後に、前提条件がぐだぐだな改革は、行き詰って内紛が起きて破たんするか、ぐだぐだが拡大して収拾つかなくなって責任者がとんずらするか、一部の真面目で優秀なスタッフが過剰な負担と自己犠牲を強いられて去っていくか、骨抜きになって看板のかけ替えだけで終わるか、どう転んでもいい結果は得られません(断言)。

思い出しましょう。「もとこともこの乱」は結局、行き詰って内紛が起きて破たんしたのでしたね。

企業スポーツから脱却してプロ化していこうという方向性自体は正しいと思うので、今回の資料をタタキにまずは議論をしっかり煮詰め、誰が見ても「なるほど、だからスーパーリーグを作るんだな」と納得できるレベルにまで精査してほしいと思います。ポリシーとかストラテジーとかビジョンとか、生煮えのカタカナ使わなくていいから(腹こわすぞ)。

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リオ五輪・アメリカ戦 敗因ははっきりしてるので。 [バレーボール]

準々決勝のアメリカは大方の予想通りストレート負けでリオ五輪が終わりました。まずはお疲れサマンサ。前回が銅メダルだっただけに完敗感が漂いますが、北京もアテネも準々決勝敗退ですから、改めて出発点に立ったということですね。

アメリカはフジテレビが大騒ぎするほど世界一の無敵チームではなかったと思います。ブロックがいまいちだったり、乱れたときにアタッカーが弱気だったり、焦ってタッチネットしまくったり。その弱点を綿密なデータと先手先手の采配で補っている印象。むしろ、日本にとってはロシアよりやりやすい相手だったのではないかと。なのにこの完敗。敗因ははっきりしてますね。

そしてここから東京五輪への準備が始まるのだぞ、というスタメンローテはこちら。

  島村        石井      長岡

  宮下        木村      荒木  L佐藤
-----------------------------------------------------------------
アキンラデオ(MB)  ヒル     マーフィー

グラス(S)     ラーソン    アダムズ(MB)  Lバンワース


次の1歩を踏み出すためには、良かったところ、悪かったところをしっかり仕分けせねばなりませぬ。というわけで、まずはこの試合、明らかだった敗因は深刻度が高い順に、足をひっぱることしかしなかった佐藤、なぜか要所でのミスが目立った木村荒木、展開力と駆け引きが足りなかった宮下、ですね。

このうち、宮下はまあいいでしょう。初戦の韓国戦と最終戦となったアメリカ戦を比べただけでも成長のあとがうかがえるので、ここからまた伸びていくと思われます。

ベテラン2人が要所で凡ミスをかましたのは不思議かつもったいなかったですね。石井、長岡、島村、宮下の気迫と勢いがベテランのミスでそがれてしまって乗り切れない、という場面が目立ちました。

ただ、そんなこんなを引き離してぶっちぎりで深刻だったのは佐藤でしょう。どれぐらいヤバイかって、誰彼かまわず悪態つきまくりの私ですら、佐藤にはもう、いちいち文句を言う気もおきないぐらい……でも言うんですが。いやー、9割がた邪魔しかしてなかったですね。。。明らかにサーブで狙われてましたしね。。。真正面のボールもはじいてましたしね。。。予選中盤で心配した通り「選んだのが失敗だった」という結論になってしまいました。Vリーグではあんなに上手だったのに、残念です。

そんな佐藤の代表人生が今後どうなるかはさておき、この試合、悪いばかりでもなかったと思います。最も印象的だったのは[ぴかぴか(新しい)]石井[ぴかぴか(新しい)]。世界最終や予選序盤の受け身な感じ、ロシア戦あたりからやらされてる感じが消え、この試合では積極性と集中力と気持ちの強さが全身からほとばしってました。石井、やはり、やればできる子でした。

もうね、石井が後衛でもレシーバーと交代させなくていいと思うんですよ。東京五輪まで4年間あるわけだから、最初の1年は目をつむってコートに立たせ続け、自分で活路を切り開くように仕向ければよいと思います。1年も立てば相当しぶとい女に仕上がって、チームを引っ張っていってくれるはず。

島村の勝負強さもインパクトでかかったですねー。第3セット、またしてもスタメンからはずされた恨みつらみなのか、山口のピンチサーバーとして出てきて圧巻の6連続ポイント(サービスエース1本含む)。技術面ではアラキングにまだまだ及ばないところがあるものの、メンタルの強さではキング級ですな。

さらに、島村クイックおとりの石井のレフト平行、この高速コンビ、今回もきれいにきまりました。これまで必殺技がなく長岡単発か山口に頼っていた宮下ですが、島村/石井のライン、かなり有望じゃないですか?しかもこの2人が前衛の2ローテでは長岡が前衛か後衛のライト側なので、序盤で時間差を立て続けに使っておいて長岡にふる、という展開も可能です。

そう、最初に少し書きましたが、宮下に足りないもの……は、たくさんあるけど今すぐ学ばなければいけないのは、展開力だと思います。韓国戦で沈没してからよく立ち直ったタフさは立派。なので次は、沈没しないで済むように戦略性を身につければいいと思うのです。

今日の試合では、第1セット序盤から荒木の移動攻撃やBクイック、荒木おとりの時間差、島村のBクイック、島村おとりの時間差、とセンター線を重ねて7-7まで競り合った。ここまではよかったんですが、で?それから?ってところの構想がないなと感じました。

センター線を使う重要性に目覚めて積極的に繰り出していったのはいいのですが、それが布石になってないんですね。なので、クイックを消すサーブを打たれたり、ラリーになったりするとばたばたする。もっと世界のセッターのゲームメイクを研究したほうがよいと思います。宮下としては意表をついているつもりだろうなと思われるトスも含め、とてもわかりやすいトスワークになってしまっているところが課題ですね。

そして駆け引き。特に、宮下が前衛でサーブレシーブが長くなった時の対応ですね。サーブレシーブが長い→ツーアタック、という決め打ちでやってては1本目は決まっても2本目以降はダメでしょう。テラマワリンが何度か指摘してましたが、ワンハンドでトスを上げるふりをしないと。もちろん、それにはセンターがクイックに入ってくる゛演出”も必要です。

そうすることで、相手がブロックの手を出してきた場合はオーバーネットをとられます。1回でもオーバーネットを取られると、次に同じ場面になったときブロックの手を出しづらくなります。そこですかさずツーアタック!ですよね。

もしも「いやいや私はそんな駆け引きは……」というのであれば、開き直って規定打数に達するぐらいツーアタックを打ちまくれ。セッターなのにアタック決定率80%でスパイク賞獲得ですテヘペロ、みたいなね。ファンをおおっ!とうならせるのがセッターの醍醐味なのではないかと。

長岡は良くも悪くも典型的なセッター対角でした。苦しい場面で冷静に2段トスを打ち切ってくれる頼もしさがある一方、ラリーのときにふわふわしていて守備面で戦力になってないという。

若手で初五輪ということを考えると、功績のほうが大きかったと思います。ただ、石井と比べると覚醒の兆しがまだ見えないですね。万能型になっていくのか、攻撃型に特化していくのか、そのあたりの方向性もはっきりしません。2年ほど前に急激に伸び、踊り場の状態で五輪を迎えてしまった感じ。言い換えればそれだけ伸びしろがあるということなので、ここからさらに化けてくれることに期待です。

そして最後に真鍋監督。なぜか一部でぶっ叩かれているようですが、私は東京五輪も真鍋監督で行ってほしいなと思います。仮に、木村・荒木・山口が抜け、リベロも白紙になったとしても、監督が同じなら継続性=上積みが期待できます。そうでなければゼロからのやり直し。こんなもったいないことはないですよ。

がまんして使い続けた若手たちがようやく覚醒の兆しを見せてますし、真鍋流サーブ&ブロックもまだまだ通用しています。4年間でチームの勝ちパターンを練り上げられなかった点、選手選考をぎりぎりまで引っ張った点は痛かったですが、それもまた次に活かせるはず。2度目の東京五輪で再びの金メダル、あると思います。


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リオ五輪・アルゼンチン戦 いろんな意味で手に汗握り……(笑) [バレーボール]

どきどきしましたねえ。。。準々決勝進出をかけたアルゼンチン戦は、最後の最後で衝撃のミスを重ねつつもストレート勝ち。ロシア戦で離陸し、この試合でさらに上向いたので、このまま上り調子でアメリカ戦にぶつかっていけますね。苦しみつつも決勝トーナメントに進んで中国との死闘を制した4年前がよみがえります。

試合そのものも、宮下がやりたい放題……とまではいかずともやりたいことを遠慮がちながらやり通したところ、荒木がどんなトスでもなんとかしてくれたところ、石井のパワーヒッターぶりが久々に見られたところ、島村の速さが復活したところ、迫田の潤滑油的な仕事っぷり、あたりがとても楽しかったです。

いや、正直、放送自体は最低だったんですよ。実況&モトコさんは反則のジャッジについて意味不明なことを口走るし、国際映像は点数表示間違えるし、バレーボールに関心も愛もないテレ東は当たり前のように中継を削ってCM・提供紹介をぶちこむし。そんなぐだぐだな放送でも試合そのものが面白ければ楽しめるということですね。

そんなこんながありつつもようやくかみ合ってきたチームのスタメンローテはこちら。

  宮下     島村           石井

  木村     荒木         長岡⇒迫田  L佐藤
-----------------------------------------------------------------
 フレスコ    ソサ(MB)        アコスタ

  ニャティッチ ブスケレジェス(MB)  カスティグリオネ(S) Lリッソ

この試合もスタメンは長岡でしたが、やっぱり迫田に代えましたね。攻撃面では長岡はいいと思うんですね。今日はサーブも崩せていたと思います。ただ、迫田も攻撃とサーブは好調。そこにブロックレシーブ、つなぎを含めた総合力で考えると、やっぱり迫田、ってことになるんでしょうね。

迫田はこの試合ではリバウンドもしっかりとれてましたし、打ってブロックにかかったときに自分でフォローする手もきちんと出ていました。試合を追うごとに思い通りに身体が動くようになってきたのかな。第3セットのマッチポイント、ライトからのバックアタックでホームランを放って同点にしたときはドン引きしましたが、勝てたのでよしとしましょう。

身体が動くと言えば木村と島村もそうですね。木村へのトスがしっかり伸びていた(←試合途中までは)ので、久々に木村らしい流れるようなコースうちが何本も見られました。島村もセッターの前後に動き回っての彼女らしい攻撃が発揮できてなにより。島村おとりのレフト石井、というパターンは速さがあってリズム感がよく、見ていて楽しいです。これ、宮下の勝ちパターンの1つになりそうですね。

その木村と島村も第3セットのマッチポイントでお見合い?接触?かなにかでドン引きのつなぎミス。島村が行くべきだったように見えたのですが、大事に至らなくてなによりです。

実はこの手のドン引きミスの中でもさらにでかいのが2つありました。1つは第1セットの4-4、そうです、実況&モトコさんが意味不明なことを口走ったあの場面。宮下がツーアタックを打った時点で反則の笛が吹かれました。

実況は最初、宮下のオーバーネットと勘違いしたのですね。でも宮下はネットからかなり離れていたのですぐに誤解に気づき、やや間があって、長岡のバックアタック時のアタックライン踏み越しだと゛実況”したのです。で、モトコさんもそれに同意したと。

確かに、審判の公式ハンドシグナルでは、オーバーネットとアタックライン踏み越しがよく似ています。でも、この場合はそのどちらでもなく、佐藤がアタックラインの内側でオーバーハンドで宮下にパスし、それを宮下がネットの上辺よりも上の位置から相手コートに返した(=打ってしまった)反則なのでした。佐藤はセッターへの返球のつもりだったと思いますが、それを宮下がツーで打ったために反則が成立してしまったという。宮下、あほたれですな。

でも、もっとあほたれなのは実況&モトコさんですよ。この反則もアタックラインの踏み越しも、どちらも審判のシグナルは同じだから間違えたのでしょうが、長岡がバックアタックしてないことぐらい見てりゃわかるでしょ。

もう1つのドン引きは第3セットの20-17のラリー中、宮下が大きくはじいて相手コートに飛んでいったボールを、迫田がなにを思ったかネットをくぐって拾いに行こうとして笛を吹かれるという。あんなに堂々と敵陣に突入するなんて迫田、さては今はやりの真田幸村か(違)。自分でも気づいたのかすぐに自陣に戻ってきましたが、そりゃ味方の皆さまも棒立ちになるわな。

そんな空回りもチームが上昇している証拠と生温かく受け止めつつ。そういうぬるいところと無縁の場所で今日も奮闘していた[ぴかぴか(新しい)]荒木[ぴかぴか(新しい)]。いやー、しびれますねー。ブロックでの活躍はもちろん、宮下のセット位置にしっかりついていってどんなトスでも点数につなげる安定感。石井とのタテの時間差やXプレーは荒木のクイックに入るタイミング=ゆったり感とよく合っている印象。石井が斜め跳びでついてくるブロッカーを利用した打ち方をすれば、アメリカにも通用しそうです。

久々に荒木の得意技=アンテナ下まで走ってブロッカーの小指を狙うストレート打ちも炸裂して何よりです。ラリー中の2段トスやサーブ時のスパイクレシーブも4年前より安定感が出ていて、日本バレー史上でも指折りの名センターに成長したと言っても過言ではないでしょう。

今日の試合でサイド攻撃のブロックに跳んだ島村がワンタッチしたボールを見失い、仲間から「上!」って声がとんでるのに対応できなかった場面。あれ、10年近く前の荒木ですよね。荒木はきょろきょろしている頭にボールがぶち当たるという笑いの神を降臨させたこともあるほどです。なので、島村も地道に努力を続けていけばきっと笑いの神様が……じゃなくて、世界が恐れるセンターに成長できるはず。期待が高まりますな。

さて。全日本女子にとって五輪はここからが本番。海外メディアによると、アメリカのカーチ・キライ監督は、ローガン・トムをあえてはずして(≒戦力外通告して)、今のチームを作り上げたようですね。代わってレギュラーの座をつかんだヒルは193cmとでかいですが、いまだに弱気が見え隠れすることもあり。対角を組むラーソンがなんでもできる選手なので、 日本のサーブでどちらが崩しやすいのか、見極めがカギになりそうです。

アキンラデオは、アメリカが日本に負けた5~6年前と比べると格段に上手になってますが、それでも身長とジャンプ力の割に攻撃面は……という印象です。移動攻撃はストレート打ちがまだヨッコイショな感じなので、アキンラデオが走ったらストレートを締めてクロスに打たせて拾う、ってな感じでいけるのではないかと。セッターの前でのクイックも広角とまではいかず高さで勝負、という感じで長いコースに打ってくるので、これも拾ってしまいましょう。

アメリカは徹底したデータバレーなので、データにないことをするとそこに対応してくるまでにやや時間がかかります。なので、例えば日本が序盤にセンター線を決めまくるなど、今大会で見せていない隠し玉を次々に炸裂させれば主導権を握れそうです。楽しみ!


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リオ五輪・ロシア戦 やっとチームらしくなってきた。 [バレーボール]

予選第4戦のロシア戦、日本の良さが出たものの、終わってみればストレート負けという残念な結果になりました。それにしてもロシア、昔から五輪シーズンは夏でも気合が入ってましたが、今回は南半球で゛冬”だからなのか、ドーピング問題の欠場をなんとか免れたからなのか、いつにも増してものすごい気合ですね。ここまでアルゼンチンやカメルーンといった格下相手にも゛温存”なく撃破してきた流れのまま、日本戦でも気持ちを切らさず。コシェレワの笑顔がいっちゃってる感じになっててとても怖かったです。。。やっぱりおクスリを……(違)

スト負けではありますが、韓国戦のぶさいくな負け方やブラジル戦のしょうもない負け方と違って、今回はできることはやり切った上でのスト負け。ただ、伸びしろはまだまだあるはずなので、この調子でアルゼンチンにすっきりと勝って決勝トーナメントに進み、準々決勝に山場を持っていきましょう。そこで金星をあげれば、あとはトーナメントの妙。メダルまでワンチャンスあるよ、ってな感じになってくるかもしれません。

それにしても、この試合のチーム状態、2009年のシーズン末にちょっと似てませんか?選手の組み合わせをあれこれ試してしっくりくるパターンを見つけ、さあこれで練り上げていこうという段階。真鍋体制第1期は1年で離陸したのに、第2期は4年かかった。この差は何なのか、いずれ真鍋監督の振り返りを聞いてみたいです。

そんな真鍋体制第2期の゛初日”とも言えるロシア戦のスタメンローテはこちら↓

田代⇒宮下   島村⇒山口     鍋谷⇒石井

 木村      荒木       長岡⇒迫田  L佐藤
-----------------------------------------------------------------------
ゴンチャロワ ジャラジコ(MB)   コシェレワ

スチェルバ  フェティソバ(MB) コシアレンコ(S)  Lマロワ


第2期初日は、正確に言うと第2セットからですね。第1セットはまだ離陸できずもがいてました。原因は明らか。先発した田代、狙いはいいものの、トスが低い・短いだらけでアタッカーが打ち切れず、ブレイクどころかサイドアウトも取れなかったこと。佐藤がまたしてもイン/アウトの判断ミスやお見合いを連発し、セッターへの返球もクイックが使える精度にはいたっていなかったこと。守備で長岡がほぼ空気になっていたこと。この辺りでしょう。

なので、田代⇒宮下、長岡⇒迫田は妥当だと思いますが、もう1つ、鍋谷⇒石井とするあたりがつらいところですね。ブロックとレシーブの連係が悪かったりサーブレシーブでお見合いしたりしても、リベロは佐藤だけなので交代できない。サイドの交代で流れを変えようにも、選択肢が鍋谷か石井しかない。どちらも攻撃の決定力が弱く、サーブとレシーブで鍋谷、ブロックでは石井なので悩ましいという。

大会本番、予選を半分過ぎてなお選手交代のパターンを模索しないといけないチーム事情が垣間見えて、準備不足なんだなあと改めて感じました。

それでも、宮下、迫田、石井を先発させた第2セットはよかったですね。「あれだけミスして自滅していいわけねえだろ!」って声も聞こえてきそうですが、宮下が吹っ切れたように笑顔で、ぐだぐだな守備陣にもかかわらず走り回って献身的にトスを上げ続けたところがとてもよかったと思います。韓国戦、カメルーン戦がトラウマになるんじゃないかと心配でしたが、これなら大丈夫でしょう。

クイックおとりのレフトやバックセンターというパターンも、試合の中で少しずつ修正されて相手ブロックを振れるようになってなによりでした。サイドアタッカーが打ちやすいところまでトスをしっかり伸ばすとブロックがついてきてもなんとかなることが体感できたでしょうし、センター線もトスを高い位置でさばけば多少コンビがあってなくてもなんとかしてくれると実感したのでは。

だからこそ、このセットはジュースにもせず、先行逃げ切りでとってほしかったなー。日本のサーブ&ブロックの圧力がじわじわと効いていて、ロンドン組がアメリカやブラジルに勝ったときのような雰囲気になりつつあっただけにもったいなかったです。

参考までに、8月8日にあったロシアvs韓国で、韓国は第1セットを25-23で競り負けたあと、第2セットは23-25で競り勝ってます。今回の日本とよく似た試合展開で、サーブでくずし、ブロックとレシーブの連係で拾って切り返すパターン。

しかも、韓国のセッター、イ・ヒョヒはブロックがどん引きするぐらいヘタで、片方のひじが曲がったり身体がまわったり。これだけブロックがヘタな代表セッターはほかにブラジルの北京・金メダリスト=フォフォンぐらいしかいないのでは……というヘタさで、その上からばかすか打たれてましたが、それでも接戦に持ち込んで1セットはもぎとってるんですね。

なので、日本がやれないわけがない!って終わってから力んでも仕方ないのですが、伸びしろはまだまだまある、というところはしっかり確認して、1試合ごとに成長していってほしいと思います。

最後に、本日の解説=テラマワリンは好プレー/ダメプレーを1つ1つ指摘し、好プレーがなぜうまれたか、ダメプレーはどうすればよかったのか、わかりやすく解説していてとても面白かったです。特に、鍋谷がフェイントを狙ってブロックされた場面で「あれは自分でフォローしないと」という指摘、私はセンターがフォローに入れよ!と思ったのですが、確かに強豪チームの選手は自分でひょいっと上げますね。勉強になりました。

さて、予選最後のアルゼンチン戦。決勝トーナメント進出をかけた戦いになってしまいましたが、今日のようなサーブ⇒ブロックとレシーブの連係があれば勝ちは固いでしょう。気負いすぎずに自信をもってやってほしいと思います。山場は準々決勝ですから。

(おまけ)

第3セット12-17のラリー、木村がダイレクトボールを打たずに両手で返して拾われた場面。そのあとの木村、両手をぴょこぴょこ振りながら足をばたばたさせて最後に両手で自分の頭をぺたん!って……なんじゃあれ???地下アイドルの萌えパフォーマンスか???田中みな実か???……、……、不覚にもかわいいと思ってしまいました……orz

ただ、試合後のインタビューでアナウンサーが「お疲れ様でした」と声をかけたのに対し、おっさんみたいなキレ声で「えっ?[むかっ(怒り)]と聞き返していて、木村はやっぱり、いろんな意味ですごいなと思いましたとさ。


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リオ五輪・ブラジル戦 しょうもないミスの差、これも実力…だが希望も。 [バレーボール]

予選第3戦のブラジルは日本が実力をいかんなく発揮してのストレート負け。あ、嫌味や皮肉ではなく、文字通り日本は実力を出し切ったと思います。特に、スタッフ陣=チーム・真鍋とチーム・ギマラエスは互角と言ってよい攻防だったかと。なのに完敗したのは、個々の選手の技術力の差ですね。しょうもないミスをあれだけ連発していては……。

そんなホームのプレッシャーがかかるブラジル相手に先行し続ければ勝機があっただけにもったいなかった試合のスタメンはこちら。

 田代       島村            石井

 木村       荒木             長岡       L佐藤
---------------------------------------------------------------------------
ガライ        シェイラ          ファビアナ(MB)  

ジュシエリ(MB)  ダニエルリンス(S)  ナタリア      Lレイア


やはり田代で来ましたね。妥当な選択だったと思います……が、彼女の守備力の低さがチームの流れを切りまくってしまったこともまた現実。相手の苦し紛れのフェイントを拾えない or ダイレクトで返してしまうミスが1セットあたり少なくとも1~2本ずつあったのでは。こうしたボールをしっかり拾ってラリーを取ってやっと互角に渡り合える相手なわけで、練習不足、準備不足な感は否めません。

それにしても、守備がヘタなセッターってなかなか珍しい。なんでもできる運動神経のいい選手がセッターになる傾向があるということ以上に、セッターは自陣と敵陣を同じ視野で把握しつつ、ボールの軌道を見切って素早く下に入る能力を備えているはずですよね。なので、その能力がレシーブにも活かされるからこそ守備がいいはず。

で、田代は?やっぱりボール下に入るのが遅いですよね。少しでも動かされるともう高いところでセットできず、低い位置から直線的に斜め上に上がっていくような軌道のトスを上げています。それが極限までひどくなるとトスの頂点(ボールの底点)が白帯を越えないという……。宮下が雰囲気に飲まれて沈没した今となっては田代で時間を稼ぐしかないですが、 田代では格下に勝つのが精いっぱいだろうなと改めて思ってしまいました。

それはさておき。真鍋vsギマラエスですよ。

監督同士はお互い手の内を知り尽くしていて、その結果がブロックとサーブによく出ています。ブロック本数は日本6本、ブラジル9本。ほぼ金メダルメンバーの相手に対して戦力差がある現状では、3本差は想定内で、むしろ日本がセット平均2本もブロックした、そのほとんどを荒木が決めた、というところが日本の作戦的中の証明になるでしょう。サービスエースはほぼ同数です。

ちなみに、 荒木は開始直後のプレーでファビアナクイックをしっかりマークしてクロスをふさいでいます。その後のラリーの中でのナタリアのバックアタックにも反応しています。なのに、佐藤がそのフェイントを拾えなかったんですね。

ナタリアはパワー型の強打が持ち味ですが、ブロックが見えると逃げのフェイントを打つクセがあるのは代表入りしてから一貫して直っていません。今大会でも日本戦を含む3試合ともずっと同じことやってます。しかも、決してうまいフェイントではなく、ブロックを越えることだけを狙った山なりの軌道です。

それを拾って決めてナタリアをつぶす、というパターンがロンドン組はできていて、リオ組はできないまま五輪に来てしまった。佐藤・石井・田代が後衛に並ぶと守備の穴だらけ、ってことですね。しかも身体能力的に拾えないのではなく、単に判断が甘いだけという。

佐野・新鍋・竹下の時代、すべてをアンダーで処理してしまう佐野、守備範囲外まで取りに行ってしまう竹下と問題はあったものの、今と比べると゛堅守”だったんだなあと改めて思いました。

開始早々からふがいなかった佐藤ですが、この後もリベロにあるまじき凡ミスを連発。第1セット13-16の場面ではチャンスボールのパスが短くて田代が走らされ、ぶれたトスになってコンビミス。ここで解説席・モトコさんのイラッとしたツッコミが入っているのですが、16-20の場面で今度はチャンスボールを後ろにはじくミス。

モトコさん、怒りを押し殺したような声で「もうちょっと鋭角に来ると読んだところでの判断ミスもあったかなあ……」って、「ところでの~」ぐらいからはもう聞き取れないほどの押し殺しっぷり(怖) まあねえ、解説席から罵声を浴びせるわけにはいかないですし、無言で鉛筆をへし折るよりかはフォローのコメント入れたほうが視聴者に親切ですし。

でも、佐藤のミスはこれでおさまらなかったんですね。サーブレシーブは長すぎる/短すぎるで安定しないし、それをブラジルに見抜かれてサーブでさらに前後に揺さぶられて崩されるし。石井の守備範囲を狭めた影響があるのはわかりますが、そもそも「佐藤がもっと取りにいけ」という声はずっとあったわけで。

そして第3セットの13-16の場面ですよ。ジュシエリの完全アウトの移動攻撃をよけたつもりが頭にかすってワンタッチを取られるという。まだ予選中盤でこんなこと言いたくないですが、佐藤はこのまま終わったら「選んだことが失敗だった」と言われかねない。ジュシエリのほぼノーブロックのクイックをしっかり上げたりもして、強打に強いところはアピールできているんだから、そのほかのプレーでもなんとか奮起して代表リベロであることを証明してほしいです。

と、まあ、負けたから文句もいろいろ出てくるわけですが、完敗の割には楽しめました。やはり論理的かつ明確な采配があると、それが成功する/しないにかかわらずバレーの魅力が格段にアップします。

そして最後に、この試合でおおっ!と思った好プレーをご紹介。第1セットの11-10の場面の島村です。長岡のライトバックアタックが完全に読まれ、コースにリベロ・レイアが入って拾われたところからラリーに。3rdボールがシェイラに上がり、島村と木村がブロックの体勢を取ります。

しかし、島村はすぐにシェイラが打たないと判断。自分はネット際をキープしながら左手で木村に開くように指示したんですね。で、シェイラが完全にオーバーハンドの姿勢になったところで自分もすかさず開きつつ、手を挙げてもうトスを呼んでるんですね。

シェイラにはそれが見えていたのかもしれず、前衛を狙った短い返球をしてきたために、開きかけていた木村は足を止めてレシーブの構えになります。しかし、島村はしっかりレシーブの構えに。それを見た木村はすかさず開いてトスを呼びますが、島村がそのまま走り込んでクイック。

木村がトスを呼んだ瞬間、その方向をブロックに構えているファビアナが一瞬確認してレフト側に重心をかけたんですね。木村徹底マークを敷いているブラジルとしては当然のケアです。ただ、そのせいで島村のクイックへの反応がわずかに遅れた。その結果、島村の打球がファビアナの左手をぶち抜いたのでした。

この一連の動き、センタープレイヤーの真骨頂ですね。状況判断の正確さ、各動作の正確さと速さ、そして積極性。さらに、木村と並ぶローテで私にまかせろと言えるメンタルの強さ。頼もしい選手になってきました。彼女は大会中に急激に成長してますね。こうしたプレーができるんだから自信を持って、チームを引っ張るぐらいの存在感の発揮に期待。とても楽しみです。

(追記) 
FIVBのホームページに掲載されていた日本とブラジルのアタックの傾向分析です(クリックして拡大)。が日本、下がブラジル。記号の説明がないのですが、アタックの打球がどこに落ちたか/拾われたかでコートが色分けされています。例えば、レフトから木村がインナーに打って決めると赤いゾーンにピンが立つ、ということだろうなと。

ピンは緑(winner)がノータッチ、赤(returned)は拾われてラリー、青(unreturned)が拾われたけど返ってこなかった、 ということだと思います。

日本の攻撃面(上図)でセンター線が弱いことがばればれですね。セッターの前でのクイックやセンターからのバックアタックは青ゾーンに行く傾向が高いでしょうから、日本はそこが薄いと。もしくはブラジルのブロック戦術とミドルブロッカーが優秀で、日本が攻めあぐねたということも言えるかと。その分、ほかのゾーンで緑ピンが多ければ挽回できていると考えられるところですが、緑はゾーンも前後の位置も分散しているので、それもない。結果、ただひたすら゛弱点”ということなんだろうなと。

一方、日本の守備面(下図)では、アタックライン付近の短いコースの処理は比較的できているものの、コート奥を狙われるとほぼ決められてしまうという傾向がうかがえます。逆に言えば、ブラジルが日本の弱点=高い打点から長いコースに打つと拾えないということをきちんと把握して狙った結果なんだろうなと。

次の試合、ロシアは近年、高い打点から長いコースを狙う戦術を強めています。ずたずたにされなければよいのですが……。

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リオ五輪・カメルーン戦 田代が雰囲気をつかんだようなので。 [バレーボール]

予選第2戦のカメルーン戦、危なげある立ち上がりながら終わってみれば大差のストレート勝ちで何よりです。五輪に飲み込まれてしまった感がある宮下に代わってコートに立った田代が、見事にチームを立て直しましたね。彼女が1セット・25点の取り方を逆算して構想できているようなら、このままメインで使っていったほうがよさそうです。

宮下のほうがブロック、サーブ、レシーブは上ですが、そういう゛オプション”ではなくセッターはやはりセットアップで評価されるべきだと、あのゾルジ兄貴も言ってました。今の宮下だと、次のブラジル戦は戦わずして負けてしまう可能性があり。だったら、田代に賭けてみたいところです。

そんな仕切り直しのスタメンはこちら。

宮下⇒田代  島村⇒山口     石井

木村      荒木       長岡   L佐藤
--------------------------------------------------------
モマ      アボア(MB)   ナナ

ファジャ    フォソ(MB)   クウラ(S)   Lナセル

それにしてもカメルーン、初日のブラジル戦では第2セットで21-25まで迫る粘り強さを見せ、続く日本戦の第2セットでは一時期9-4と走る大活躍。解説席のテラマワリンが「オリンピックを通して力をつけてきているのでは」と頓珍漢なことを言ってましたが、゛解説”するんだったら対戦相手の試合ぐらいちゃんと見ておいてほしいです。カメルーンは五輪までに守備をしっかりと練り上げていて、ブラジル相手にその実力をいかんなく発揮していたのですよ。

第1セットを落とした後、第2セットでぐぐっと迫ってくるのは、カメルーンの個々の選手の能力、チームの組織力、監督の指導力が高い証拠。第1セットの結果を素早く分析してチームにフィードバックし、選手がそれを理解してプレーに反映しているから接戦になるんですね。もはや一昔前のアフリカチームとは違うなという印象です。

しかも、カメルーンは第3セット、セッター対角のモマと左利きでレフトのナナを入れ替えています。 そのモマが迫田のサーブで崩されると、すかさずサーブレシーブからはずしてナセルがカバーするシフトに変更する手も打ってます。こうした複雑な変更でも混乱せずにできるのは、練習してきたからこそですよね。練習でやってないことを本番でやって大混乱していたどこぞの男子チームは彼女たちの爪のアカを煎じないまま飲めばいいと思います。

なんかもう、一気にカメルーンのファンになってしまいました。タイに続いて面白いチームが出てきたなと。なのでもうちょっとカメルーンの話を続けましょう。ブラジルも日本も、カメルーン相手に慣れるまではやりづらさを感じたと思うのですね。ねじ伏せて終わり、というイメージのはずが拾われるしブロックされるし、切り返しも決められるし、なんだこれ?って。

たぶん、それはカメルーンの独特のリズムのせいでしょう。例えばブロック。ブロックジャンプが高くて腕が長いので、かわした!と思ったタイミングでもまだ手が残ってるんですね。ブラジルはそこに真正面からばかすかぶつけてシャットアウトされたり、苦し紛れの山なりフェイントを打って拾われたりしていました。

また、センターが遅れながらサイドのヘルプに跳んだとき、欧米やアジアのチームは斜め跳びになって手のヒラが出ればいいほう、ヘタすると腕も曲がってただ利用されるだけ、というブロックになっているケースが多いかと。ところが、カメルーンは斜め跳びのはずなのにひじから上ぐらいがしっかりそろって出てくるんですね。跳躍力と体幹の強さ、ハンパないっす。

なので、日本が誇るへなちょこクイックを武器とする山口を投入したのは、日本にとっては大正解でしたね。カメルーンは山口に慣れていないため、白帯の下でセットされてネット上にボール1個分しか出ていないような異様に低い攻撃=おそらく見たことがないと思われる攻撃に、フルジャンプでブロックに跳んでしまってたんですね。その腕にボールをあてて落とされるなんて想定外。そんなボールを拾う練習もしていない。なんじゃこりゃ???と思っている間に日本にたたみかけられた、という感じでした。

でもたぶん、カメルーンがその攻撃に慣れていれば、ブロッカーが降り際に手を伸ばして拾ってしまうと思うんですよ。実際に、ブラジル戦ではブロックを利用されたり、吸い込んだりした打球をそうやってひょいひょい上げてましたから。

独特のリズムはレシーブもそうですね。長い腕を振ってすくい上げるスタイル。画面からははっきりとはわかりませんが、おそらく勢いがしっかりと殺されてふわっとした球質になっているのかなと。ボールの軌道に入るのが速いからこその技でしょう。日本はボールが腕にぶつかって直線的に飛んでいった、みたいなレシーブが目立つので、この辺りはカメルーンが上でしょう。

そしてアタック。カメルーンの両足踏切のクイックは基本的に、ボールがセッターの手を離れてからジャンプしています。なのに十分な高さを確保していて、コースに打ち分ける余裕すらある。それとシンクロするサイドもほぼ同じ(わずかに遅い)タイミングでジャンプしているので、トスがサイドやバックに振られたときには結果的にものすごく速い時間差攻撃になってます。

一方、片足踏切のクイック=いわゆるブロード攻撃は、トスが上がる前にジャンプして空中で移動しながらボールを待ってます。特にフォソの移動攻撃がこのパターンでした。日本戦ではいまいちでしたが、ブラジル戦では片足でどれだけ跳ぶんだという超人ぶりを発揮。しかも、アメリカのアキンラデオ顔負けの高さを見せてました。片足踏切でストレートに打てるようになれば世界レベルでしょう。

豊かなジャンプ力をフル活用した攻撃パターン、ネットから離れた位置から体重を乗せて打ってくる打球、さらに訓練の成果がうかがえるブロックアウトの技術。これで攻撃のミスが少なければ、そしてサーブがもっと強ければ、世界ランキングで第2集団ぐらいには入ってきてもおかしくないチームですね。今後が楽しみです。

とまあ、カメルーンをほめたたえたところで、終わってみれば日本の圧勝なわけで、田代の組み立てでアタッカー陣が調子をつかんだように見えたのは何よりです。宮下は気持ちを切らさず、田代が行き詰ったときに何ができるかを考えながら試合に臨んでほしいですね。

そしてもう1人。まだ覚醒しきれていないのが守備の司令塔=佐藤。五輪に来てもまだ毎試合、お見合いをやっているようではダメでしょう。選手間にきたボールはすべて自分で取るつもりでやらないと。サイドが拾うとそれだけチームの攻撃力は下がるわけだから。各方面からずっと指摘され続けているこの課題、五輪のぎりぎりの場面でぼろっと出てしまって悔やんでも悔やみきれない……なんてことにならないように、神経を研ぎ澄ませて守ってほしいです。

(おまけ)
実況が「過去に日本とカメルーンとの対戦はない」と言ってましたが、ほんとかな?あったような気がするけど、それは男子だったのかな?


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リオ五輪・韓国戦 悩ましい。これが実力だから。 [バレーボール]

リオ五輪の開幕戦は大注目の日韓戦……でしたが、3-1で完敗。世界最終のときの差がそのまま出てしまいました。3ヵ月で劇的に改善することはありえないにしても、もうちょっと弱点をカバーする作戦を考えてくるかなと思ってたのですが。

 宮下        島村      石井

 木村        荒木      長岡             L佐藤
-----------------------------------------------------------------------
キム・ヨンギョン キム・ヒジン  ヤン・ヒョジン

キム・スジ     イ・ヒョヒ   パク・ジョンア  Lキム・ヘラン

緊張して硬くなって実力が発揮できなかった、だったらまだ何とかしようがあるんでしょうけど、残念ながらこれが今のチームの実力。 敗因を突き詰めると、トスが悪い/サーブレシーブが悪い、の間でニワトリとタマゴみたいな話になるので悩ましい。しかも、この2つの改善には年単位の時間がかかるわけで、いまさら言っても仕方がないという。

なので発想を変え、トスが悪い/サーブレシーブが悪い、という現実を前に、そのミスをどこで吸収して得点につなげるかをもっと突き詰めてくるべきだったと思うのですね。

一応、吸収するすべを考察した痕跡はうかがえました。その答えが第1セット、サイド一辺倒での軟打の嵐だった、というところがさみしい限りですが。なので、第2セットで韓国が軟打の守備を強化したシフトに変えてくると、日本はもう手詰まり。

ここでセンター線をがんがん使って守備変更の裏をかき、クイックへのマークを強めてくるとすかさず軟打、ってな感じで揺さぶっていくのがセオリーなんでしょうけど、宮下/田代のセッター陣がそのレベルになっていない。第4セットの最終盤でいきなりクイックを連打してましたが、それは作戦でもなんでもなく、最後にもがいただけですね。結果的に荒木/山口というベテランセンターを活かせないまま負けてしまいました。

もう1つ、韓国戦の敗戦から透けて見えるのは、宮下とアタッカーの相互不信です。宮下のトスが安定しないから、アタッカー陣が用心してボールを見過ぎて動き出しが遅れる。宮下はアタッカー陣が思ったところにいないから、どんなトスでもとりあえず形にしてくれる木村に依存してしまう。その結果、どんどん追い詰められていって、最後はクイックをむちゃぶりしてみたり、勝算のないツーアタックを打ってしまったりする。破たん、ですね。

4つの世界一とか言う前に、この構造的な問題を解消しておかなければならなかったはず。そしてそれは、宮下の側により大きな責任があると思うのですが、年齢的・性格的に世界最終~五輪までの間で一皮むけるということがまだ難しかったのかなと。

どうしたもんですかねえ。。。唐突ですが、石井にキム・ヨンギョンのメンタルがあればさまざまな問題が一気に解決するはず。なんですが、石井、表情がもうびびっちゃってましたからねえ。。。荒木が引っ張ろうにも、トスを上げてくれなければどうしようもないですしねえ。。。確変キャラもいない……わけではないか、鍋谷がいるか。

ただまあ、まったく妙案が思いつかず、とりあえず予選突破を目指してがんばってくれたまへ、としか言いようがなく。宮下がより献身的かつ丁寧にセットすることを心がけてくれるよう願うばかりです。


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