W杯女子・ドミニカ戦 不吉な予感がぬぐえない… [バレーボール]
終わってみれば前評判どおりのストレート勝ち。ドミニカは本来のセッターがなんらかのトラブルで追放されたらしく、20歳の新セッターがてんてこ舞いしてて気の毒だった。16歳のアタッカーとか、ピンチサーバーに15歳とか…。かつて10代でスタメン登場した選手といえば、中田久美、アルタモノワ、カルバハル、トレスなどなど超一流選手に成長した選手ばかり。それがW杯の重みだったと思うんだけど、ドミニカの今後は…どうだろうなあ。
それはさておき。数字だけみればWGPと大して変わらない結果なんだけど、すごく嫌な予感、不吉な予感がぬぐえない展開だった。WGPの時も書いたけれど、ライト木村になってから、竹下はほぼ毎回、木村に最初のトスを上げる。この日もジャンプバックトスで木村に最初のトスを上げたが、そのライト攻撃が完全に読まれてシャットアウト。なのに次もまったく同じコースに上げ、続けてシャットアウト。
これだけですんでいれば”立ち上がりの硬さ”で片付けられたんだけど、そのあと庄司のブロードが2連続でシャットアウト。荒木が前に来てもブロードは全然決まらない。栗原、木村のライト攻撃もめっきり減ってしまって、高橋のレフト攻撃と栗原のバックアタックだけが頼り、という展開になってしまったのだ。結局、庄司は第2セットまでで下げられ、でも替わった杉山もブロードが決まらなかった。最終的にはドミニカがセッターから崩れて自滅したけども、おそらく、ドミニカの狙いは「成功」したのだ。
三宅アナも解説の川合・中田コンビも、庄司の不調を不審がっていた。でもこれは、センター陣の調子というより、竹下の問題なんじゃないかと思う。
録画が無いので記憶だけで言うんだけど、ブロードやライト平行にドミニカのブロックがきっちりついてきているとき(つまり、読まれているとき)は、竹下がジャンプと同時に上体を大きくそらしたバックトスを上げているときばかりだった。逆に、第3セットの中盤、荒木のブロードがきれいに決まった場面では、竹下はほぼ垂直にジャンプし、腕の振りでバックにあげていた。
トスをバックへ大きく振るとき、こんなふうに分かりやす過ぎる動作になってしまうのは、低身長セッターに共通する弱点だと思う。高いブロックを持つドミニカは、たぶん、WGPの時からここに目をつけていた。だからWGPのときもブロードはそんなに決まっていなかったはずだ(ただ、あの時の竹下はレフト木村をばんばか使っていたし、庄司のデータもドミニカにはまったくなかったはずなので、的が絞りきれていなかった)。
日本はWGPの後半からライトに木村を入れ、ライト攻撃の比重をさらに高める作戦に出た。ライトに注意をひきつけ、高橋のレフト平行や栗原のセンターバックを決め球に、って戦略。その分、竹下がわかりやすいジャンプバックトスを上げる場面が増える。これに対しドミニカは、レフトの守備を犠牲にしてでも、竹下の動きを読んでライトを止めに行くという戦略をとったのではないか。
日本のブロードは低いし、コースもそれほど厳しくない。荒木や庄司は速さも平凡だから、読んでいれば引っ掛けられる可能性が高い。ライト平行やオープンも打点が低いのでシャットアウトを狙える。高橋をマークするよりこっちのほうが断然お徳だと判断したのでは。実際、きょうのドミニカはライトをがっつり止めていた一方で、レフトへのブロックは遅れがちで、すこんすこん打たれてた。
問題は、これが上位国相手の時だ。今日の試合は、他チームに「ドミニカですらブロードも含めたライトからの攻撃を封じ込めることに成功した」という印象を与えたはずで、ブラジルやイタリアはもちろん、アメリカやポーランドといった2番手グループもそこを突いてくるのでは。実際、WGPではキューバが日本のライト攻撃を徹底してマークしてフルセットに持ち込み、勝っている。
対策としては早めにA、Bクイックを見せておくことぐらいしかないと思うけど、ここでも竹下の低身長がネック。ジャンプトスの関係上、特にAクイックはテンポが遅くて低く(タイと比べても遅いと思う)ワンタッチを取られやすい。なんだかんだいって、最後は高橋頼み、となるわけで、これではメダルどころかWGP並みの成績しか残せないのでは…と勝手に頭を抱えております。
(追記)
番組の合間のCMで、PS2に全日本女子の実名入りのバレーボールゲームが出ていることを知ってびっくり。調べてみると今年10月25日に発売されたそうで、協会公認。
リアルにこだわっているそうで、コンビはコントローラーの各ボタンに事前に割り振り、レセプションが成功したときだけ使える。複数のアタッカーが使える(開いている)場合は瞬時に選択もできる。ブロックアウトを狙えたり、タイムアウトでモチベーションを回復したりもできる。各選手のデータを盛り込んでいるほか、選手育成もできる。
そしてなんと、フジテレビの三宅アナの実況や川合俊一の解説まで…。
要するに、野球のパワプロやサッカーのウイニングイレブン並みに、リアルなやりこみ系バレーゲームを作りました、ということなんでしょう。なぜこの時期にPS2なのか、という謎はさておき、やってみたいなー。でも協会公認ってとこにひっかかるなー。協会にお金払うのいやだからなー。中古で買おうかなー。でも、選手たちの収入にもなるのかなー。それだったら買ってもいいかなー。などと、気もそぞろになってしまったのでした。
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管理人さんすごいですね。自分はバレーが好きで小学生のころからテレビで見てるんですが、何分実戦経験がないのでどこがいけないとかあまり分からないんですよね。竹下のトスアップの仕方でドミニカに読まれていたのが原因で今日のセンター線が機能してなかったとは・・・。非常に説得力がありました。
不安要素ばかり目立ってしまう全日本ですが、ブラジルのように完璧なチームより応援しがいがあるってもんです。(出来ればもう少し安心して見させてほしいですが・・。)今日も1セット目なんかは胃が痛くなりそうでした。最近は親心のような感じで見てしまいます。「がんばってるな選手たち」と泣けてくることもあったり・・・。歳をとった証拠ですね。
毎日更新楽しみにしてます♪
by hiro (2007-11-03 03:18)
>hiroさん、コメントありがとうございます。テレビ観戦で録画もないのでマユツバで読んでくださいね(笑)。
ドミニカ戦について、柳本監督は「竹下のトスは完璧だった」とかばっていました。確かに、WGPの後半やアジア選手権でのようなトスの乱れはありませんでした。でも、「完璧」なトスがあれだけ読まれてるとなると、さらに胃が痛くなりますね…。
by rio (2007-11-03 11:26)
確かに竹下選手のトスアップ気になりました。監督は竹下選手に絶大な信頼をおいているようですが・・・・監督やコーチ陣からの客観的な指示は出ているのでしょうか?試合中のトスまわしは選手まかせなんですか?
私もバレーボールは大好きで、ずっと観戦し続けていますが、専門的に分析は出来ないので、管理人さんの分析はとても参考になりました。
どうしてブロード攻撃に拘るのか?どうしてクイックをもっと多様しないのか?と疑問に思っていました。やはり技術はあっても身長がプレーの幅を狭めているのでしょうね・・・。しかし、現在の全日本女子ではセッター竹下に代わる人材が存在しないと思うので、信じて応援します。
日本はブロックが弱いですが、観戦しててブロックが決まった時ほど興奮してしまいます。なので不安材料満載ですが、今後のセンター線に是が非でも頑張って欲しいです。
by バレーファン (2007-11-03 19:05)
>バレーファンさん、コメントありがとうございます。
竹下はWGP~アジア選手権の流れで、6人ものセッターとコンビを合わせてきました。これほど負荷をかけられながら頑張ってるセッターは他にはいないでしょう。また、毎回ジャンプトス(これも低身長のため)なので、疲労がたまるとジャンプ力が落ち、トスワークが乱れる原因になっています。実際に、WGPやアジア選手権では竹下のトスがぶれて負けたり、セットを落とす場面もありました。
竹下は北京五輪が最後の挑戦と決めているようです。低身長セッターとしての技を極め、限界まで力を出し切って、いい意味で”全日本最後の低身長セッター”となってほしいです。
ブロックは弱いと思わないんですけど…決まりませんね。シャットアウトじゃなくていいんですけどね。ワンタッチとるかコースを狭めるかできればOKなんですが。韓国戦でもいまいちでしたね。ほんの少しのタイミングだと思うのですが。
by rio (2007-11-03 22:46)