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自己ってなに? [これはいいね]

10年前にブック・オフで買ったままほったらかしていた本をやっと読みました。

免疫の意味論

免疫の意味論

  • 作者: 多田 富雄
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: -

理系の専門的な部分は当然よくわかってないんですが、面白かった。もっと早く読めばよかったなー。

自分とそれ以外を区別しているのは脳だと思ってたけど、「免疫システムは移植された脳をも”非自己”として排除する」なーんて言われると、うへぇと思ってしまう。アイデンティティなど精神的自己を認識するのは脳だけど、身体的自己を決めているのは免疫システムだ。この事実のもと、免疫システムを分かりやすく解説しながら、脳死、移植、伝染病、老化、エイズ、癌、アレルギーなどさまざまな現象が免疫との関連で語られる。

たとえば、はしかにかかる前のはしかウイルスは「非自己」だけれど、かかった後のはしかウイルスは「自己」(だから二度とはしかにならない)。発生当時の癌細胞は「自己」だけれど、摘出した癌細胞は「非自己」(マウスから摘出した癌細胞を同じマウスに移植すると拒絶反応が起こる)。

その結果、「自己」と「非自己」とをわけ隔てているものはその時々の「環境」に過ぎないとの結論にいたる。またまた、うへぇって感じ。これって人間社会のあり方そのものじゃないか。一個体の中で起きている「自己」と「非自己」の曖昧なバランスが、個体の集合体である社会のバランスと似ている。この事実ってかなり面白い。だからこの本がベストセラーになったのかも、と納得でした。


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コメント 5

原左都子

rioさん、「原左都子エッセイ集」にトラックバックを送信いただき、ありがとうございました。「免疫の意味論」を、理系の専門的な部分はわからないとおっしゃりながら、よく読み込まれていますね。 また、「原左都子エッセイ集」をご訪問下さい。私も、rioさんのブログに時々立ち寄らせていただきます。
by 原左都子 (2007-10-23 14:10) 

rio

>原左都子さん、コメントありがとうございます。

読み終えてネット上をうろうろしてたらばったり行き当たりました。わたしの中ですごくタイムリーだったのでTBいたしました。話題豊富なブログですね。また寄せてください。
by rio (2007-10-24 00:59) 

自己免疫疾患を患っている私は、興味深く読ませていただきました。
花粉症なんかは、外部からの侵入に対しての自己防御反応だけど、
自分の臓器を「非自己」と認識して攻撃してしまうって、何? と、思います。どちらもEg抗体ってやつがキーパーソンみたいですけど。

病気になって、結構勉強しましたが、行き着くところは「核遺伝学」(?だったけか?)「遺伝子レベル」の話になるみたいで、私のお脳が着いて行けません。(笑)
専門家でも分からないことがいっぱいあるみたいですね。

体の仕組みというか、命ってほんとに不思議です。
by (2007-10-24 02:00) 

rio

>楓○さん、コメントありがとうございます。

確かにこの本にも、「自己免疫疾患が起こる理由は不明ながら、免疫システムの”感受性”には遺伝が関係している」と書かれてますね。なので、筆者は「自己免疫疾患がなぜ起こらないか、のほうが疑問」とまとめています。

わたしは文系なのですぐに社会現象に置き換えて考えてしまうのですが、この疑問もとても現代的ですよね。

たとえば、ちょっと飛躍しますが、宗教って社会の免疫システムのようなものかもしれないと思ったんです。国際社会では「なぜ宗教戦争が起きるのか」「宗教戦争をなくすにはどうすればいいのか」が大きな課題になっています。社会を不安から守るはずの宗教が、社会を攻撃する原動力になってしまう。もしかしたらそれは、その社会の”宗教に対する感受性”が原因かもしれないんですよね。

そうだとすれば、「なぜ日本では宗教戦争が起きないのか(起きなかったのか)」のほうが疑問になってきます。仏教をとりこみ、キリスト教をとりこみ、気がつけば世界でもまれに見る”なんでもあり状態”(無宗教ではなく)になってますよね。

免疫の謎が解明されれば、日本のこの不思議さもこれまでと違った角度で説明できるようになるのかもしれません。
by rio (2007-10-24 03:13) 

>日本のこの不思議さ

すごいタイミング〜。と、驚きました。
おんなじようなこと、ずーっと考えてたんです。
その手がかりになるような本を少し読んだんですけどね。
日本は、決して単一民族ではないと・・・。
三千年以上前は、かなり混血があったんじゃないかと思います。
そうでないと、日本人の何でも有りなファジーさは説明できないでしょうね。遺伝子に組み込まれてる?w
by (2007-10-24 14:36) 

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