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野中広務、うごめく [けっこう気になる]

9月15日の記事で期待したとおり、文藝春秋が安倍辞任に至る流れを4回シリーズで詳述している。文藝春秋は新聞やテレビの報道の誤りを指摘し、新事実を提示することが多いんだけど、今回はそれほど大きく違わなかった。首相の政権放棄という異常事態を受け、各マスコミともさすがに正確な情報を求めて走り回ったからだろうか(政治記事は観測や思惑であえて事実と違うことが流れる場合もある)。

それはともかく、やっぱりというべきか、野中広務が福田首相誕生へのキーパーソンだった。福田への流れが出てきた時点で、突然、ぶらさがり取材の対象になっていた野中。総裁選に福田が勝った折には、わざわざテレビカメラの前で、弟子の古賀を「よくやった」と褒め称えてみせた。野中にすれば、差別主義者の麻生を首相にするなど、絶対に許せなかったのだろう。

一方、安倍政権末期、公然と安倍批判の口火を切ったのが中川泰宏。はげ頭で横柄な口をきくおっさんで、小柄なのは小児麻痺をわずらったからだ。安倍の辞意を知っていたと漏らした麻生を批判したり、平沼復党を牽制したり、小泉担ぎ上げの中心に座ったりなどスタンドプレーを連発。メディアに露出する機会が一気に増えた。

なぜこの2人が急に表に出てきたか。もちろん選挙のため。2人は衆院小選挙区の京都4区が地盤なのだ。ここは野中一族の牙城。被差別部落出身者の野中一族は、戦前から地方政治を通じて強固な基盤を築いてきた。旧園部町長も、野中→実弟と、長年、一族で固め、強力な地盤のはずだった。ところが。

野中は小泉改革のもとで抵抗勢力の烙印を押され、窓際に追いやられて引退。2005年の郵政解散で造反した田中英夫の後見人となって奔走したが、野中の息がかかっているはずの地方議員の動きはかなり鈍かった。

理由は2つ。
1つは、小泉が京都4区を最重要選挙区と位置づけていたからだ。郵政解散の狙いは旧田中派支配をぶっ壊す(それを小泉は「自民党をぶっ壊す」と表現した)だったから、郵政族のドン野中が牛耳る京都4区はその本丸。「総選挙に惨敗しても、京都4区だけは勝ちたい」と周囲に漏らし、必死のてこ入れを図った。その結果、地方議員の多くは、引退した野中か、解散の賭けに出た小泉か、どちらにつくかを迫られることになり、結果、日和見を決め込んでしまった。

そしてもう1つの理由が、刺客・中川泰宏だった。当初、京都4区はなかなか刺客が決まらなかった。マダム・寿司・小池を、という噂も出ていたように思うが、小池は勝てそうな選挙区を選んでさっさと移ってしまった。それぐらい避けたい選挙区だったのだ。そりゃね、小泉から「必勝」のプレッシャーをかけられつつ、野中の牙城に切り込むなんて”落下傘候補”ではできませんよ。なのに、ただ1人、京都出身の中川だけは「やりたい」と手を挙げたのだ。

確か、当初は自民党京都府連も党本部も中川擁立に難色を示していたはず。全国的な知名度が無いことよりも、黒い噂だらけの人物だったことが大きかったと思う(実際に、当選してから自宅の固定資産税を17年間も払っていなかった話など、さまざまな疑惑が出てきている)。しかし、誰もがしり込みする中、結局、中川に白羽の矢が立った。地方議員出身で旧八木町長も務め、JA、畜産業界、障害者団体を牛耳っており、貸金業までやっていて、得意技は一般向けの「小児麻痺ネタの泣き落とし」と、地方議員・利権団体向けの「恫喝」。野中に負けず劣らずの強面ぶりに、他がいないなら仕方ないかという感じだったと思う。

中川が刺客に決まると、地方議員はさらにひよった。中川が小選挙区で勝てばもちろん、比例で復活当選したとしても、野中派・田中英夫の支援に回った議員に徹底報復することが容易に予想できたからだ。

引退したダーティー野中VS小泉人気・現役のダーティー中川、という構図になり、中川は、びびる地方議員の足元を見透かしたように急速に支持を拡大していく。田中、中川、民主候補の3つ巴の3番手だった中川は、当初、比例復活も無いと見られていた。ところが、1週間単位でばんばか支持率を上げていったのだ。

業を煮やした野中は選挙終盤、立会演説会で公然と中川を批判し、ひよっている地方議員を恫喝した。それをきっかけに田中が盛り返し、田中の盛り返しが伝えられると日和見議員は田中支持に傾き、という具合に転がりかけたのだが、遅きに失して万事休す。わずか156票差で中川が勝ったと聞いて、小泉は大喜びしたという。

この辺が、何の資料も無くただ記憶だけで書いた京都4区の郵政選挙。間違っていたらごめんなさい。

それからわずか2年。状況は様変わりした。小泉人気のMAXで156票差だったのだから、いくら現職有利とはいえ、中川の次の選挙は危うい。比例で復活したとしても、田中英夫が自民党入りしてしまえば中川は用済みになる。

しかも自民党の選対委員長には野中派の腹心古賀。古賀は先日、田中英夫の集会に出席した。中川は「党の選挙を預かる人間が無所属の議員の集会に出るとは何事」と猛反発したというが、反発してみせたところで、小泉チルドレンはすでに空中分解。文藝春秋の解説では、古賀に選対に就いて選挙を握るように言い、党4役と位置づけさせるよう指南したのは野中らしいし、中川の、というより、小泉チルドレンの外堀は埋まった感じ。広報局長もチルドレンの片山さつきから、野中ラインの野田聖子に替わったし。

郵政解散のシンボル選挙区だった京都4区は、次の総選挙で、脱小泉路線を占うシンボル選挙区になりそうなのだ。野中広務から目が離せないね。 


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