男子ワールドリーグ、日米戦、内容は良かった [バレーボール]
これまで2回、途中から見た試合がいずれもふがいないものだったので、今回は初めからきちんと見て応援してみた。ストレート負けだったけれど見所はあった。遅くまで起きてた甲斐があったよ。
今回の試合のハイライトは、越川が活躍したこと。そうそう、レセプションがどうのこうの、なんて文句言ってずに、自分で決めればいいんだよ。終盤まで、サーブ、ブロック、スパイクどれをとってもうまくいった(最後はちょっと減速したけれど)。特に、苦手と言われてるクロスにこだわって、失敗してもクロスを攻め続けた姿勢がよかった。植田監督が言う「逃げないバレー」ってやつだね。ワールドリーグみたいなデータ集めの練習試合の時に、苦手なプレーに果敢に挑戦して成功体験を積み重ねるってのは非常に大切だと思う。メンタルの強さやとっさの判断なんて、監督に怒鳴られたからって身につくものじゃない。うまくなりたいと思う気持ちと実戦での成功がかみ合ったとき、能力って大きく伸びていくんだよな。
何かと越川と比較される石島、大変だろうなあ。今日もプレーにムラがあって、まったくだめなわけではないけども、合格とは言えない内容だった。大きな原因の一つは、すべてのプレーが遅いこと。サーブカットからの次の動き、ラリーになったときのつなぎの動き(判断)、平行トスを打つタイミング、どれをとっても遅い。俊敏性がないわけじゃなくて、なんか萎縮してる感じがするんだよなあ。指示されてることを一生懸命しようとし過ぎて豪快さが消えてる印象を受ける。女子の佐々木の若いときみたい。石島がどうがんばっても越川のような優等生バレーはできないし、そこを目指す必要もない。パイプ攻撃ができなくてもいい。その分、他の選手には打てない高いオープンや2段に体重を乗せて打ち切ってほしい。それと、石島はセンター出身なんだから、チームとして彼をもっとトリッキーに使う戦略があってもいいんじゃないのかな。例えば、クイックと平行を混ぜて石島に打たせれば、プレーが多少遅くても通用すると思うんだけど。それにはセッターは朝長より左利きで背の高い阿部なんだよな。難しいところ。
朝長は”らしさ=丁寧さ”がよく出てたと思う。越川が大当たりしてたけど、そこに集中させるんじゃなくて、センター線もライトもバランスよく使ってた。終盤はトスが低くなってしまってたけど、これは背の低いセッターを使う日本の宿命か。スーパーエースやセンターが途中で入れ替わるめんどくさい状況にめげずに、冷静かつひたむきに上げてた。
残念なのは、スーパーエースの直弘が全然通用していないこと。スパイクが遅くて、ブロックをかわしたり利用したりする技術にも乏しいから、バンチリードを採用しているアメリカのブロックにまったく歯が立たない。山本と似たり寄ったりのプレーで、第1セットは直弘以外の5人で戦ってるみたいだった。なんで植田監督が世界バレー以降、先発でスーパーエースを置く体制にこだわってるのかよくわからない。この日も1セット目から止められまくって、結局、第2セット序盤で下げたわけだし。最初から千葉を入れればいいんじゃないの?
と思うんだけど、変わって入った千葉はそんなによくなかった。キャプテンなんだけどそう見えない、というか。千葉がフォローに入ったほうがいい(入るべき、ではなく)、そのままボールを見逃して得点されている場面が何回もあった。千葉はいつも「与えられた仕事はきっちりしてます」って感じで、それはそれで大切だ。だけど、「与えられてはいないけれど、誰かがやらなきゃいけない仕事」ってのになかなか手を出さない印象がある。キャプテンでしかも守備固めで入ってるんだから、難しい2段を打ってる越川や石島をただ突っ立って見てるってのはまずいだろ、やっぱり。
もう一つ、第3セット17-19の大詰め、主審が目の前のプレーを誤審してアメリカに点数が入った場面があった。石島のスパイクが相手のブロックに当たってからアンテナに当たったのに、石島のスパイクがアンテナに当たったとジャッジしてアウトにしたのだ。バレーのルールでは、こういうときに主審に抗議できるのはキャプテンだけである。千葉、動かず…。それはかなりまずいだろ、やっぱり。
センターの富松はよかった。手首が柔らかいのかな、スナップがすごく利いてる気がする。速攻だけじゃなく、サーブも有効だったのは、たぶんそのため。ジャンプサーブにしては低い打点で前のめりのような感じで打つ。そういう打ち方をすると打球は平行に飛ぶから、普通はエンドラインを割る。でも富松の場合は、打つ瞬間に手首のスナップを利かせてるから、ネットを越えたあたりから高度が下がってくる。落ちるって感じの激しい動きじゃなくて、たぶん見送ればエンドラインの少し手前ぐらいで着地しそうな下がり方。レシーバーにしてみれば、一歩踏み込むと伸びて来るように感じるだろうし、一歩下がると体制が低くなりすぎて乱れる。そんな難しさだとみた。
ただ、身長191センチのセンターはありえない。今はよくても、本気の大会では通用しないよ。途中で下げられた松本も193センチ。この高さだとリードブロックが効果ないでしょ。今回のアメリカは打ち下ろす打球が多くて、ネット上の通過点が低かったし、攻撃のバリエーションも少なかった。だから、ブロックが決まったんだと思うけど、これではねえ。越川(190センチ)、千葉(186センチ)、朝長(184センチ)はもともと世界の中では低いんだから、センターまで器用さ重視で小型化したら”昭和のバレー”に後戻りしてしまうぞ。
リベロの津曲は残念ながら今日も特筆すべきことはない。たぶん、バレーファンの中でもけっこうな数の人が「なんで津曲がここ何年か全日本のリベロなの?」と思ってるはず。2段になったときのブロックカバーにもほとんど入ってないし。序盤では、前の試合でレセプションが悪くて下げられた石島をかばって、サーブレシーブの受け持ち範囲を広く取ってた。でも、がんばるところはそこか?石島の問題は今大会中に彼自身が解決すればいいわけで、そんなことより、もっとつなぎを意識した動き方をするべきだと思うのだが。
書いてると結局、文句のほうが多くなってしまったけど、試合そのものはイライラせずに見られたのだから良しとしよう(そんなレベルでいいのか?)。来週はフランス戦。見に行けたらいいんだけど。







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