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Bリーグのマーケティングがとても上手だった件 [これはいいね]

都内某所でBリーグのえらい人(以下、えらい人)の講演を聞く機会があり、そのマーケティング戦略の巧みさにほほぅ!となったので、そのことをメモがわりにこっそりつぶやいたつもりがたくさんの方に拡散していただいてなんだかもう……お騒がせいたしました m(_ _)m 有言実行ということでこっそりブログにメモっておきます。

前提として、今回のお話はデジタルマーケの分野です。わたくし、こんな文字だらけのブログでつい最近までSNSボタンすら設置しなかったというアナログ人間……と見せかけて、実はデジタルマーケ、デジタルコミュニケーションの分野がバレーの次の次のとなり近所、ぐらいには好きだったりするのですね。というわけで話がマニアックになったらごめんなさい。

Bリーグが開幕したのは2016年9月。良くも悪くも悪くも悪くもバレー御用達メディアだったフジがまさかの開幕戦ゲットで、キラーコンテンツ『サザエさん』まで動員してプロモーションしたことは(私の)記憶に新しいところです。サザエさんがいきなりママさんバスケを始める展開は、無理に無理を重ねる『サザエさん』のなかでも無理やりな展開だったかと。ただ、「ママさんと言えばバレーでしょ!」とはもう言えない時代なのですね。

そんな後押しまで受けて開幕ダッシュを決めたこの団体、ご承知のようについせんだってまでは分裂して内ゲバを繰り返してました。しまいには国際連盟に「ちゃんとせんと五輪に出さへんよ!」なんて怒られ、仕方がないからJリーグの川淵さんがでばってきて整理整頓したのでした。えらい人いわく「外圧とカリスマによる奇跡」が起きてBリーグ開幕にこぎつけたのだとか。

ちなみに、とっくにすっかりお忘れかとは思いますが、日本バスケットボール協会の会長さんはあの三屋裕子さんです。えらい人の話の中には1回も登場しませんでした。

それはさておき。
Bリーグはなんと全国45チーム(下部リーグ含む)でスタート。Jリーグが25年かけて53チームだそうで、ものすごいスタートダッシュです。

市場規模は、従来リーグの興収3億~5億円/年(バレーとほぼ同じ)の10倍、50億円/年を見込んでいて、2020年までには100億円/年に引き上げると。さらに、なる早で大目標の250億円/年の達成、および1億円プレイヤーの誕生をめざしているのだとか。算数ができない私の単純計算だと、100億円/年に達した時点で、1000万円プレイヤーは当たり前になるはず。夢がありますねー。

この夢をがっちり後押ししているスポンサーがソフトバンクです。報道では4年契約で120億円出資と出てました。そんな大型投資をどうやって引き出したか。決め手になったデータは「観戦意向者層」の分析だったのだとか。要するに、バスケをナマで観たいよ!と思ってる層ですね。

市場調査の結果、ナマで観たい人たちが10代~30代を中心に700万人もいることがわかったそうで。だったらあとはやりようでしょ、ということでソンさんがポンとハンコをついたんでしょうね。

この700万人にどうやってチケットを買ってもらうか。モノを売るためにはお客さんのことをよく知ることが近道です。というわけでえらい人、観戦意向者層のペルソナを調べました。いわく、「誰かと一緒に観に行きたい人、出かけることが好きな人、主にスマホと雑誌から情報を得ている人、情報を発信・シェアしたい人」という姿が浮かんできたのですね。はい、わかりました。だったらデジタルマーケの出番ですね、ってことなんです。

バレーもそうですが、一般的に競技団体の興収源は4つ=チケット販売、放映権料、スポンサーの出資、グッズ販売です。スポーツ界はこのへんの整理整頓が遅れに遅れていていまだに昭和なんですね。

例えばバレーの場合、Vリーグのチケットは機構の直販・チームの直販・代理販売などが混在。企業が座席をおさえてしまって売り切れなのに空席、観たい人がツイッターでチケットを探しまくる、なんてこともざら。グッズ販売にいたってはちゃんと黒字にできてるんだろうか……という始末です。これらはすべて”機会ロス”=もうけそこない、につながります。

で、Bリーグはここをちゃんとしました。チケットはウェブ直販に集約してコスト削減。放送は観戦意向者層と親和性が高いネット中継で放映権料を節約。スポンサーに依存せず、顧客管理システムの統合による収益の最大化をはかり、物販はe-コマースで、という感じ。

↑ドメドメじゃない企業の戦士たちにとってはえ?いまさら???なんてことだと思いますが、少なくともスポーツ界ではここまできちんと=戦略的に進めている団体はほとんどないと思います。

特に、顧客管理システムの統合、ってのがすごい。リーグと各チームのデータベースをすべて統合し、チケットを購入した人をリターゲティングできるようにしたのだとか。リタゲって例えば、ネットで住宅販売の広告をクリックすると次にブラウザを立ち上げたときに広告表示が最初から住宅販売になってたりしますね。あれです。

そのリタゲも徹底していて、例えば顧客ごとにバスケIDを発行してそれをデジタル・マネジメント・プラットフォーム(DMP)にぶちこみ、バスケを越えた”健康づくり”ってなテーマでさまざまな角度からアプローチ。最終的に”バスケファミリー”としてサポートしていく体制を整えるのだとか。究極の囲い込み戦略です。

DMPって2016年半ばごろにやっと「いまさら聞けないDMP」的な記事が出始めたぐらい、つい最近まで”よくわからない箱”だったんですね。1年ほど前かな、さわやかな黒めの飲み物を売ってる大きな会社のデジタルってる人が「DMPを導入して成功したという事例はほとんど聞かない。みんな『どう使えばいいのかわからない』って言ってる」なんて話してました。

ところがBリーグ、バスケファミリーの健康をサポート!ってな大きな絵(=戦略)を描いて、それを実現させるためのいろいろな戦術の中心にDMPを置き、効率よく実行していっているのですね。単に、デジタルマーケ、統計、データ分析に強いというだけでなく、戦略→戦術→実行の落とし込み方が上手です。

実はこの落とし込み方にもコツがあったようです。一般的には、データ分析をする場合、現場が数字をシコシコ集めてプレゼン資料を作り、そんな仕事をしたことがない役員たちにご説明申し上げて頓珍漢な質問をされ、もやっ……としたままなんとなく決定にいたる、ということが多いと思うのですね(偏見)。

一方、Bリーグは、経営層が明確なビジョンを示し、それをもとに仮説を立て、その検証・分析にデータを活用する手法だそうです。非常に効率的。現場が世界の果てまで行って数字を集めてくる必要はなく、仮説が正しいか間違っているかが明らかになるデータを提供すればいいわけなので。そうやって取捨選択を繰り返して”正しい”もので固めていくという。

この方法、デジタル周りの仕事をしている人にとっては「息を吸ったらはく」ぐらいに当たり前のことだと思いますが、なかなか浸透しない。理由は簡単、経営層にビジョンがなかったり、論理的に仮説を立てる能力がなかったりするからですね。

バスケ界だってそんな人材がいなかったからサッカーとか野球とかから人をひっぱってきたわけで、デジタルと統計の両方がわかる人材(特にデータサイエンティスト)はいまや、Googleやfacebookが囲い込んで手放さないほどのレアキャラなのです。

そんなBリーグがいま力を入れているのは、常連さん(既存顧客)に新人さん(観戦意向者)を誘ってもらうこと。ありがち、ですよね。誰でも思いつく方法です。ただ、Bリーグは漠然と思いついたのではないのですね、ライト層(会場に1~2回きたことがある層)に直接面談方式で聞き取りをして、なんで会場に来ようと思ったのかを突き詰めたのです。その結果、ほとんどの人のきっかけが「誘われたから」だったのだとか。

単なる思いつきか、根拠が見えているか。たとえ同じ答えにたどりついたとしても、この違いはめちゃめちゃでかいです。単なる思いつきはいずれ、別の人の単なる思いつきにぶちあたってブレまくる宿命を背負ってますから。

その点、Bリーグは市場調査の手法で科学的に答えにたどりついたので、常連さんに新人さんを誘ってもらおう!→そのためには常連さんにどんな道具をわたせばいいのかな?とすんなり展開していけるわけですよ。

さらに、観たらやってみたくなるのが人情、ということで、観戦者=競技者(趣味の草バスケから本格チームまで)となる施策を打っていくのだとか。←これ、バスケはサッカーの次ぐらいに有利ですね。空き地にゴールポストを1つ設置すれば”競技者”を増やせるわけですから。

バレーをやりたい人はものすごく多い。ひいき目なしで、経験者かどうかにかかわらず老若男女問わずほんとに多いと思いますが、特にインドアは物理的に難しい。バレー界の知恵の出しどころですね。

などなど、えらい人のこまかいジマンも含めてもうちょっと話があったのですが疲れたのでこのへんでやめます。それにしても夢のある話。聞きながらいちいち「バレーだったら、これはこうで、あれはああで……」と考えてしまいました。冷ややかに見ていたバレーのプロ化構想にがぜん興味がわいてきたり(笑)

川淵さんはかつて、「バスケのあと行くとしたら?」という報道からの質問に「バレーも選択肢の1つ」と答えていたことがありますが、はたして……いや、そんな「外圧とカリスマによる奇跡」じゃなくてさ、大胆な世代交代と権限委譲で自分たちの力で変わろうよ。ぐだぐだしてるとバスケに若年層をぜんぶ持っていかれてしまうよ。

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Vリーグがプロ化するってよ……って、なんか生煮え


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Vリーグ男子:堺、久々に勝利の要因は? [バレーボール]

久々の勝利過ぎて喜び方を忘れてしまった私ですが、入れ替え戦をかけたJTとの負けられない一戦にフルセットとは言え勝てたことは何よりでございます。

先にタイトルの答え=勝因を書いておくのですが、端的に言えば第4セットのJTの油断ですね。堺とブービー争いをしているくせに、アウェイの地で2セットとって第4セットもリードしたからと油断して腑抜けたプレーをしてしまうJT。さすがブービー争いに加わってくるだけのことあります。

特に、第4セット9-13から、ルブリッチがサーブをふかしてアウト、その直後にバックライトからのアタックもふかしてアウトで11-13。一方、堺はウォレスがぎりぎりを狙ったサーブで2連続エースで13-13の同点。ここで潮目が完全に変わりました。

このあとウォレスはフローターを打ち、越川がレフトから決めて13-14。ただ、その越川がサーブにさがってミスり、14-14となってから以降、第5セットの15-11まで、堺は1回もJTにリードを許しませんでした。ぶっちぎったわけではなく、正直、堺はぶさいくなプレーの連発だったのですが、それ以上にJTの心が折れてしまったのですね。

やっつけた!と思った相手がゾンビのように復活してきたときは要注意。←これ、常識ですよね。ゾンビは急所を確実にしとめないと何度でも生き返るので。JTはゾンビ映画をもっと研究したほうがいいと思います(謎)

ただ、それだけだとあまりにあまりなので、無理やりの上にも無理を重ねて堺の別の勝因を探すと、少なくとも第1セットは前季並みのバレーをしようと心がけていた(ように見えた)ことですね。あの真保式ブロックシステムを(未練が見え隠れしてましたが)とりあえず棚上げし、バンチ・リード主体で通しました。

各選手が強いサーブを打つことを心がけ、高野がジャンピングフローターからジャンプサーブに切り替えることまでやって、サーブの強さを追求しました。さらに、序盤からセンター線を積極的に使って相手のブロックの分断をはかりました。

こうした”当たり前”のことにやっと着手し、第1セットは競り合いになりつつも25-23で逃げ切ったのですね。まあ、第2セットに入るとサーブが急激にポンコツになってサンドバッグ状態に戻っていくわけですが。

もう1つ、真保監督はパナ戦に勝った思ひ出にひたりたくて玉宅を起用し続けているのでしょうが、彼がセンター線、特に出来田の高さを活かしたクイックや千々木の高速パイプ攻撃をうまく使えていないことは明らかでした。

なぜなら、これらはすったもんだしながらも佐川とアタッカー陣が作り上げてきた”必殺技”だからなのですね。他人の必殺技をすぐに使えるような天才セッターは今のVリーグには存在しません。その結果、選手たちは必殺技を封じられたまま、玉宅の単調なトスで戦い続けることを強いられてきたわけですよ(それがラクだからいいね、と思ってる選手もいたのかもしれませんが)。

それが第4セット以降に佐川がスタメン起用されて少し(←少しね)変わりました。千々木のパイプも超高速で決まったし、出来田は2枚ブロックの上からクイックを叩きつけたし。真保監督に「この回り道、必要でしたか?」と聞いてみたい気分です。

などなど、私の文句は読み飽きたでしょうし(笑)、私も書き飽きたので、今回はDAZNの解説者のお言葉をご紹介しましょう。DAZNもなかなか大胆で、連敗中の堺のホームゲームに前部長の田中幹保さんを起用したのですね。田中・印東体制からガイチ・真保体制になってこの体たらくですから、ミッキーが甘いこと言うわけない。きっと、わかってて呼んだんだろうな。
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<ミッキーの解説>※要約です

第1セット

ジャンサに変えた高野がサービスエースのあとサーブミスだった場面
「サーブミスをもったいないと言う人もいるが、男子はチャンスサーブをいれても点にならない。サーブで押していくしかない」
⇒ 真保体制になってからサーブ効果率が暫定8位ですからねえ。

アタック決定率の話題になって、
「50%超えるのが一流の証。我々の時代は55%が目標だった」
⇒ アタック決定率も暫定8位ですからねえ。

終盤で千々木・高野とJTの吉岡の打ち合いになり堺が競り勝つ
「(外国人に頼らず日本人選手がふんばる)こういう展開、大好きです」
⇒ そういうバレーに近づいてたんですけどねえ。

第2セット

序盤から、高野、ルブリッチ、千々木、安永とサーブミスが続いた場面 
「サーブミスで勝敗が決することなんてデータ上は絶対にありえない。基本的に、サーブミスは気にすることではない。とは言え、もう少し考えて打つべき」
⇒ 意図がはっきりしたサーブでミスってしまったものは気にするなと。ただ、惰性で打ってネットやアウトは許さんよと。

アタッカーの能力の話題になって、
「今の選手は高いトスを打つ能力が極端に劣る」
「左右で速い攻撃をしたいために高いトスを打つことがない。でも、ゲームを決めるのは高いトスを打ち切る能力」
「高いトスを打つ能力が速いトスを打つ能力につながる」
「深い位置から後ろからくるような高いトスを打つ練習が必要」
「速いトスはタイミングだけ。きたブロックをかわすだけだから何も難しくない」
「高いトスを打つ能力を持っていれば、速いトスはタイミングで1枚か1枚半のブロックをかわせばすむこと」

⇒ 試合が3~4点進むぐらい力説してました(笑)。イゴールを見よ、ということですね。もしくは、クビアクやカジースキを見よ、と。

このセットを振り返って、
「堺はまったくいいところなかった」
「(サーブについて)堺は狙う位置も悪いし力もない」


第3セット

序盤からウォレス、出来田がサーブミスで、
「堺はすごいサーブを打っていないのにミスしている。弱いし、入らない。基本的なことからやっていかないとしんどい」
⇒ また基本からやり直しか……。前季の堺のサーブ効果率は随一だったのに。

完璧なサーブレシーブからの玉宅→松本のクイックのトスがあわなかった場面から5点分ぐらい
「何でそこまであわないのか。練習でもそう。Aクイックは、私は(セッターを)経験していないが、あわせられる自信はある。それすらあわないなんて理解不能」
「昔は各チームに名セッターがいたが、今はどこのチームもセッターに泣かされている」
「(実況に両セッターをどう思うかと聞かれ)玉宅も深津もどちらも精いっぱいプレーしていると思うが……」
「クイックのタイミングがあわないのは理解不能」
「(安永のBクイックがきれいに決まった場面で)バレーの中では一番合わせやすい攻撃」

⇒ 玉宅の起用に全然納得してないんでしょうね。同感です。

堺が11-16と離された場面
「あまりにサーブが弱いから(JTが)崩れる要素がない。このままでは点差は縮まらない。(サーブの)強さ・狙いのどちらにも意図が見えない」

このセットを振り返り、
「バレーの内容がまったく違う。堺はサーブの意識がまったく違う。JTは何をしようとしているのか意識が見える」
⇒ 監督に意図がなければ、そりゃチームは意図を持ちませんよね。真保式ブロックシステムは入れとけサーブとの相性がいいので、逆に崩れたところからクイックを使われるような展開だとヤマカンが外れるんでしょうね。

第4セット


序盤からいきなり伊藤のサーブレシーブが乱れた場面
「伊藤のサーブレシーブには攻めていこうという意識が見えない。今の時点でこんなことをしていてはダメ」

佐川がアタック直後で体勢不十分のウォレスに続けてトスを上げた場面
「セッターとして(この状況で)またウォレスに上げるかなという。伊藤がレフトにいて。ただ、伊藤のスパイク力があまりないからそういうことになる」
⇒ 佐川と伊藤、まとめて叱られる(笑)

ラリー中にウォレスが打ち切れなかった場面
「(この状況でライトに)速いトスを上げる必要がない。高いトスを上げればいい」
⇒ 佐川、また叱られる(笑)

第5セット

試合全体を振り返って、
「内容的には3-1(でJTの勝ち)で終わっている試合。JTのちょっとした気のゆるみで流れが変わった」

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温厚なイメージのミッキーがここまで熱くダメ出しをするほど、堺の危機は深刻なんでしょう。ミッキー、第5セット終盤は気持ちが入りすぎたのか堺の応援してましたから。

堺ブレイザーズ、なんで田中・印東体制をやめたんでしょうね。ほんと対局を見誤った(=アホちゃう?)としか思えないです。ファイナル6の自力進出が限りなく赤に近い黄色信号となり、3レグ、残り6試合でどこまで挽回できるのか。さらにそのあと堺はどこへ向かうのか。むしろ好奇心がわいてきました。


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Vリーグ男子:堺にまだ打つ手はあるのか? [バレーボール]

皆さま今年も無事に明けてみせましておめでとうございます。なんだよいまごろ・・・と思われてそうですが、なんせ堺ブレイザーズを見ている立場としてはまったく明けてもおらずおめでたくもなく。なんとなく惰性でながめていたわけです。

堺がここまでどん底に落ちてるのは、端的に言えば、内的要因=チームの構造的な問題に手をつけないまま外的要因=監督人事だけでなんとかしようとしているからだと思うのですね。

構造的な問題とはこれまでにも何度か書いてきた通り、選手層のバランスの悪さです。ベテランに分類される松本や石島にいまだにおんぶにだっこのように見えて、実はこの2人、チームをまとめてひっぱっていくタイプではない。自分の好きなようにしかプレーしないタイプですね。もう1人のベテラン井上はリーグ最弱リベロ。サーブレシーブ成功率で暫定16位です。

その次の世代=伊藤・千々木前後の世代が最大派閥で、しかも中途半端な人材ばかり。この層の底上げをしない限り”新日鐵”の栄光は取り戻せないと思うのですが、めんどくさいことに、 この世代は若手時代に苦労せずに優勝を経験してしまった。なのでいまだに、自分たちは強いというセルフイメージに染まってるんだろうなと想像します。

で、その下の世代、出来田・高野といった優秀な若手が実質、チームを背負っているという。なんか日本の大企業病の縮図みたいでげんなりします。これは監督だけの力ではいかんともしがたいことで、会社が本腰をいれて取り組まないといけない。なのに、社長以下、幹部に才覚も器もないからこんなことになってるんだと思うんですね。

その幹部たちが、自分たちの課題=構造的な問題の解決を棚上げにして、海外指導経験がある監督をとっかえひっかえしている結果が単独7位、入れ替え戦がすぐそこに……って状況をうんでしまったわけですよ。

視点をかえて、真保監督のここまでの采配についても一言。真保監督はたぶん、印東前監督でうまくいかなったことでも自分だったらうまくやり抜けられると思ってた気がするのですね。就任当初から開幕2連勝ぐらいまでのインタビューなどにはそういった雰囲気がにじみ出ていました。それ自体は悪いことではありません。

ただ、真保監督の自信の拠り所となっていたのが、全日本にも招聘されたことでハクがついてる真保式ブロックシステムだったとしたら、それは痛い話になってきます。なんせ素人目には、相手が打ってくる場所を調べて確率が高いところにヤマはって跳ぶ、という中学生が思いつきそうなシステムにしか見えないもので。

それでも1セットあたりのチームブロック数は暫定3位です。ここが真保監督の最大の課題、もしくは弱点だと思います。ブロックで結果が出ている→方向性はまちがっていないと勘違いしているのではないかと。そもそも、ブロックで結果が出ているのか???という。

どのチームでも1レグは様子見もあり、得意な場所からの攻撃で始めるでしょう。なので、そこにヤマはってコミットで跳び続ければブロック本数は稼げます。そんな”システム”はすぐに見透かされ、裏をかかれます。その結果、1レグの途中から、東レ戦やサントリー戦のように、ブロック本数では圧勝しているのに試合は完敗という結果が続きました。

ここが分かれ目だったんだろうなと思います。ブロック本数が多い=ミクロにとらわれて、試合に負けている=マクロにきちんと目を向けなかった。木を見て森を見ずの典型だったのではないかと。

そのまま軌道修正することなく2レグにはいってしまい、今となってはブロック本数もFC東京を除く6チームとはほぼ互角かやや負けです。いい加減な”解説者”がそういうところをきちんと見ずに、チームブロックの暫定ランキングだけで「堺の持ち味はブロック力」とか言うから話がさらにおかしくなっているのですが。

整理しておくと、堺のチームブロック力は”中の下”です。そのレベルにとどまれているのは、出来田やウォレスといったブロックの個人技が高い選手がいるからなのと、1枚ブロックに正面からぶつけるようなへなちょこVリーガーがわんさかいるからであって、真保式ブロックシステムはすでに破たんしていると思います。いや、そもそも全日本でも機能したことなかったですし。

その上で、ブロック以外のチーム成績に目を向けると……そこはもう地獄絵図ですよ。アタック決定率暫定8位、サーブレシーブ成功率暫定8位、サーブ効果率暫定8位。サーブは得失点ともに8位で、入れとけサーブばかり打っていることが記録にも表れてます。前季は、堺と言えば強力サーブ、で恐れられてたのに。

さらに、記録に表れないところでのミスの多さ。レシーブが長すぎたり、2段トスをきちんと上げられなかったり、アタッカー陣の動作に同調性がなかったり、ブロックフォローがなかったり。同じメンバーで前季にできていたことがどんどんできなくなっています。チームとして詰め切れてない状態のままなんですね。

↑これを、真保監督の就任1年目の生みの苦しみ、とかばうことできますかね?私はさすがにそこまで菩薩にはなれません。むしろ、構造的な問題を抱える堺をあの手この手でなんとか成立させてきた印東時代のレガシィが真保監督のもとであっさり食いつぶされ、いまや砂漠化が広がってるように見えてしまいます。

1月7日、8日の2試合連続のストレート負けも、ここに書いたことがすべてあてはまる内容でした。千々木の2ヵ月ぶりの復帰がチームに刺激を与えるどころか、足を引っ張る結果にしかならず。フォローに出てきたニコイチの伊藤もまた足を引っ張って。石島はなぜかベンチアウトなので、高野が孤軍奮闘で引っ張るしかないという。

天皇杯をあっさり負けたのでけっこう時間があったと思うのですが、何かを仕掛けるでもなく、負けたなりに収穫をえられたというような感触もなく。でも、ジュースで競り合ったりしたことでまた”方向性は間違ってない”みたいな判断になるのかなあ。

まあ、入れ替え戦に出て目が覚めたサントリーのケースもあるわけですし、堺も経験してみればいいと思います。ウォレスがいやになって退団してしまうかもだけど、いまの堺ならウォレスは宝の持ち腐れ。愛想つかされても何も言えねえ。


Vリーグ男子:堺vsFC、負けられない戦いを制して6位浮上 [バレーボール]

さすがに圧倒的な戦力差があるFC東京には負けられないでしょう。サブメンバーを出す余裕もあってのストレート勝ちで何よりでした。いきなり余談ですが、FC東京と他7チームとの戦力差が大きすぎて、これでほんとにプロ化なんて成功するんだろうか。あ、だから最低6チームで発足なんていう決めにしてるのかな。

堺が勝ったというよりFCが負けたという印象ですが、FC・坂本監督の試合後のコメントは「堺のブロックとディフェンスに阻まれ、トランジションの攻撃が通りませんでした」なんですよね。解説席の今井も「堺は2段トスの攻撃に対してブロックがしっかりそろっていて、後衛の守備との連携も取れている」ってほめてました。

いや、ちょっとまて。↑これって当たり前じゃね?Vリーガーがここほめられてうれしいかね?

春高バレーだったらいいと思うんですよ。基本がしっかりできているということでほめポイントだと思います。でも、相手は国内最高峰のリーグで戦ってる選手たち。2段トスの攻撃にブロックがそろわないようなチームだったら解散して普通の男の子たちに戻ったほうがいいわけで。

なので、指摘すべきはFC側のラリー中のオープンの攻撃の決定力のなさだろうと。そこを担当しているペピチがアタック効果率で25.8%、第3セット中盤で大差がついて試合を投げてしまって下げられるという。だから結果的にトランジションの攻撃が通らないという。

解説・今井はペピチを「絶対的なエース」と表現していて、手塚ががんばることでペピチの負担を減らせるとかなんとか外国人選手至上主義的なこと言ってましたが、よく見て。FC東京が”らしい”バレーを展開したのはペピチが下げられてからですよ。

堺ブレのファンならみんな気づいているペピチはお天気坊や。チームが乗ってるとき、勝ってるときにはすごい力を発揮しますが、沈んでるとき、負けてるときにはサーブが入らず、アタックが決まらなくなるという。

申し訳ないけど、FC東京が現状のリーグで乗ってるとき、勝ってるときなんていうのは非常に少ないわけで、ペピチには全然向かないチームだと思うのですね。っていうか、FCのチームカラーに全然向かない外国人選手と言ったほうがいいかも。

チームを背負っているのは手塚のほうなわけで、むしろペピチがもっと腹くくってがんばらないとVリーグに居場所なくなるよ、っていう話ですよ。

解説・今井はペピチがサーブをミスるたびに「エースを狙うためのサーブだからよい」とかばってました。言いたいことはわかります。でもね、この試合のペピチはサーブ9本打って4本ミス、エースなし。効果率はチームで下から2番目。これ「よい」かな?しかも4本ミスのなかには、サーブを入れにいってネットにかけてるミスも含まれてるわけですよ。

解説・今井のスタンス=いいところを見つけてそれがなぜいいのかを説明する、というところには共感するのですが(←悪態ばかりついている私のくせに)、ほめポイントってそこ???ってなところをピックアップしてることが多いように感じるのです。「松本のサーブはすごく遅いから逆に取りづらい」とか。それがほんとにほめポイントなら、なんでほぼ毎試合、松本のところでピンチサーバーが出てくるんだろう、っていう。

ともあれ、堺は1位と8位を撃破してホームへ向かうことができてよかったです。ウォレスがやる気を取り戻して攻撃だけでなく守備で活躍していることが大きいですね。何度も引き合いに出して申し訳ないけど、ペピチはウォレスの打球を上げられず、ウォレスはペピチの打球を上げていた。この差は大きいですよ。

さて。第2レグを玉宅高野で連勝した勢いを考えると、堺のホームは佐川のホームでもあるわけだがしかし、このまま行くのかなー。少なくとも高野はもうはずせないでしょうね。潤滑油としての役割にぴったりはまってます。

石島は相変わらず攻撃を意識すれば守備がさがり、守備を意識すれば攻撃がさがり・・・ってなことをやってますが、守備は高野で強化されたし、ウォレスも守備力が高いので、石島は攻撃に軸足を置いてもいいんじゃないかと。

気になるのは存在感が日に日に薄まっている出来田ですね。今日の試合では効果率80%とは言え5本しか打ってない。真保体制になってから出来田の打数がかなり下がっているように思います。何が原因なんだろう。ブロックはもともといいし、サーブはよくなったし、あとは攻撃面なんだけどな。


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Vリーグ男子:堺vsパナ、連敗脱出と連勝ストップ、なんだけど。 [バレーボール]

6連敗中だった堺ブレイザーズと8連勝していたパナソニック、前回のただ長いだけだったフルセットに続き今回もまたフルセットでしたが、堺が3-2で勝利してまずはめでたい。試合の背景がどうであれ、ボールがつながって粘って得点する場面は、それ単体でみると楽しいです。

堺は石島が終始笑顔で高野、玉宅、今富、堤といった新戦力に気をつかっていたのが印象的。この雰囲気でずっといってほしいなー。一方、千々木は今日もベンチアウト、伊藤・横田も存在感なく、佐川・松岡の2枚替えは第2セットに試しただけ、内藤もいつものピンチサーブだけ。第3セットからはついに、味方のサーブ時のリベロを今富にして井上の比率をさげていました。真保監督、ついに腹くくったんですかね。

このブログで何度も書いてきましたが、堺は良くも悪くも石島のチーム。石島を超える選手が出てこなかったせいで、その歯車をずっと回せなかったんですね。でも、その石島がビーチ転向を宣言したことで、強制的に歯車がまわることになってしまった。なのに……というのが6連敗という結果になったんだと思ってます。

千々木・伊藤・横田・内藤・木村にはもう大きな期待はできないと。石島が抜けたあとを埋めるのは高野の世代だと。それでいいと思います。高野の正確なサーブレシーブやつなぎとフルセットでも落ちないジャンプ力、今富の積極的なスパイクレシーブのほうが観ていて楽しい。玉宅のトスは正直まだ発展途上だと思いますが、初のフル出場でフルセットで暫定1位に勝ったのは自信につながるのでは。

今日はウォレスの積極性が戻りつつあったのもよかったですね。彼はやはり、攻撃の破壊力と駆け引きだけでなく、サーブ、ブロック、レシーブ、パス、すべて堺のなかで一番うまい。真のオールラウンダーで、今季の外国人選手のなかでクビアクと並ぶ逸材だと思います。そして身長がクビアクより10cm以上高い(笑)。ウォレスがいる間にいけるところまでいってほしいなあ。

などなど勝利を喜びつつですね、試合内容そのものは正直、もやっとしてましたですよ。いや、どう取り繕ってもクビアクがいないパナはただのパナ、解説の元パナ今井が「渡辺選手がクビアクの穴をしっかり埋めている」ってなこと言ってましたけど、いやいやいやいや、そんなおせじ誰得?って感じですよ。そもそもサーブレシーブの時点でガタガタじゃないですか。そんなパナに堺はデータがほぼないセッター玉宅をぶつけたわけで、そりゃ1セット目はとれるでしょうよ、っていう。

ただね、クビアクがいないパナが勝てなくなることは織り込み済みなので、そこはもやっとポイントじゃないんですね。もやっとしているのは、両チームともほとんどの選手がしょうもない入れとけサーブを打って、なのに返球が乱れてサイド一辺倒になる、という試合展開です。

それがわかってるからブロッカーは”予測”してアタッカーの前に集合していて、ブロックにあててはじいたボールをつなげるかどうか大会になってしまって。福澤・渡辺ペアより高野・石島ペアのほうがちょっとだけうまかった、っていうことなわけで。

堺の場合、真保監督はたぶん、サーブはとにかく入れておく→相手は得意な攻撃を選択するはず→そこにコミットもしくはゲスしてブロックに跳ぶ、という能天気の重ね塗りみたいなことをしているんだと思うんですね。根が楽天的な人なのかもしれません。

パナがそんな昭和の女子バレーレベルの作戦にすら対応できず第1セットを落としたり試合に負けたりするから、まるで真保監督の作戦が有効であるかのように見えてしまいますが、こんなの世界ではまったく通用しないですよね。真保さん、代表コーチでしたっけ。っていうか、先週のサントリー戦でそもそも通用してなかったし。

なのに深津。クセモノ感ただようサントリーの山本と比べ、ジブンタチノバレー教団傘下のパナの深津。入れとけサーブきた!ジブンタチノバレー発動!って思ってしまうのかな。なんで堺の注文通りにプレーしたのかまったく謎でした。

真保監督はあの植田体制でもあの南部体制でも全幅の信頼を寄せられてブロックシステムの構築を担当し、その結果、国内外に「日本代表のブロックはざる」という印象を植えつけてしまった消せない過去があります。

なのに同じ失敗を今度は堺ブレイザーズに持ち込んでノーブロックでボカスカ打たれ、ウォレスのやる気メーターをマイナスに振り切ってしまったりして、結果、6連敗してたわけですよね。今回は、クビアク抜きのパナにデータの薄いセッターぶつけてフルセットの逆転勝ち、という敵失+ビギナーズラックの勝利。再現性はないと考えたほうがいいでしょう。

選手たちがせっかくやる気を取り戻しているいま、作戦を根本的に見直したほうがよいのではないかとシロウトながら感じております。


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